いつもどおり

街灯が点滅している？
いや、おかしいだろ、確かに仕事を終えて
建物から出て日の光を浴びて……？
なんで？どうして？意味が解らない
そんな込み上げる思いと同時に焦燥感も抱きながら
私は職場のある建物へと辿り着いた。
ここもそうだ、似ているようで似ていない
何かが違う。

いつも乗るエレベーターに入り
職場の階を押す
エレベーターの中は特に変わりは無く

設置された鏡を見て
私は私である事を確認する
同時に何が起きているのか整理する。
エレベーターのボタンは階毎に点灯し
整理の追い付かないまま
職場の階へと到着する

もし開いた扉の先が違ったら
ずっとこのまま？人はどこ行った
朝なのにタクシー降りたら夜で
あれ今何時？！……
扉は開かれた。

職場は無かった。
エレベーターが開いて斜め向かいに有るはずの
職場の扉は無く
私はそのまま下の階を押し
座りこんだ。
正直もうこの辺からメンタルボロボロだった
ひょっとしたらエレベーター開いたら
元通りで何かの錯覚とか
異世界体験しちゃったぜ、くらいの
エンディングを期待していた。
全然絶望だった。