はじまり

少年達は走っていた
草木生い茂る山林を、全速力で
けっして、捕まるわけにはいかなかったのだ
私もその中にいる
｢ハァ……ハァ……｣
全力で足元の悪い山林を走り続ける
｢ハァ……｣来ているかも
｢ハァ……｣もう直ぐそこまで
｢ハァ……｣隠れるか

そして、
｢つかまえた｣
私｢　ーーー！？｣
｢よっしゃー！俺の勝ちー！｣

負けた。敵約である友人田中はご満悦であった
｢おまえ捕まるなよなー｣
あとから草木をかき分け不満げに中田がきた
｢おまえ一番最初にやられてたじゃん｣
良いぞいってやれ、その隣から山田が
私｢しょうがないじゃん田中足はやいし無理｣
中田｢は？おまえがやられたら俺達が回復出来ないだろ！｣
山田｢だから一番最初にやられておいて文句言うなよ｣
田中｢まぁ、俺つえーから、どんまーい｣

学校帰りにある山林の中を戦場に見立て
ひとりを敵約としてその山林の出口まで敵から逃げ切れれば勝ちと言う
要は鬼ごっこをするのが
ピカピカの小学3年生の私達の日課であり

そのなんて事もない日常から起きてしまった話

因みに遊びでは無いのだ、真剣なのだ
敵以外にはそれぞれ役職があり
中田はボンバーマン　その辺の何かを投げられる
山田は剣士　その辺の何かが武器でたまに投げる
私は忍者　かっこ良すぎる。その辺の何かを投げる
田中は好んで敵約になる事が多かったが確か
未来人だった気がする。立ち止まっては何処かに通信をしていた。　
立ち止まるので直ぐやられる
そしてもうひとり
田口　こいつは良くわからないがバーサーカーだろう
ものすごく勢いが有るのは良いけど
気が付いたら何処かしらに落ちたりこけたりして
大ケガをしている。