K「そういう演技だろ」
自分「回りくどいですよ」
K「お前、防犯カメラあるからな」
自分「とりあえず今はこの学校から出ましょう。喧嘩はあとでもできますから」
K「いや、そう言って逃げる気だろ」
自分「一緒に逃げようと言ってるんです」
K「…はいはい、分かったよ」
そうして喧嘩騒ぎは収まった。しかしその騒ぎを聞き付けたのか、渡り廊下の辺りからこちらへ歩いてくる足音が聞こえた。
「急いで!逃げますよ!」
私はK先生の腕を引っ張って部屋を飛び出した。しかし、部屋の近くの裏口の鍵は閉まっていたので、昇降口から出る必要があった。
追ってくる足音のテンポが速くなり、段々と近づいてくる。2人以上はいそうだ。後ろを振り向く勇気も余裕もなかった。階段を使って上手く回り込み、渡り廊下から昇降口まで一直線に走った。
昇降口の鍵は開いていた。足跡はもう3メートルほどにまで近づいてきていた。ドアを壊す勢いで開け、その勢いのまま垣根を飛び越えて学校の外へなんとか脱出することに成功した。
それと同時に足音がばたりと止んだ。奴らはもう追っては来ていないようだ。私とK先生の顔をした2人組が、垣根の葉の合間を縫うようにして、こちらをじっと見つめて佇んでいた。
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