・・・そういえば
「なあ、実は二人から電話があった夜にお前の夢を見たんだ。暗闇の中にお前がいて何か言っていた。二日連続でだ。何か心当たりないか」
Aは少しの間考えるような仕草をして、口を開いた
「一度だけ同じようなことが起きたことがある。俺の父親が何日か連続で俺の夢を見た時があった。暗闇の中で俺が何か喋っているが、何を言っているかわからない。だが、自分に向かって心配そうな顔をして必死で何かを伝えようとしていることはわかった。親父は何だか胸騒ぎがして、病院に行って検査をした。すると早期の癌が見つかったんだ。早期だったから治療して無事よくなって今も元気だ」
「それって予知能力じゃないのか? 周りに危険を知らせるっていう」
「わからない。俺自身は何もわからないからな」
もしかして、何故か待ち合わせ場所を忘れてしまっていたのもAのおかげなんじゃないだろうか
俺はAにお礼を言ったが、力なく首を横に振った
「礼を言われることじゃない。BとCは助からなかったんだからな。きっとたまたまだ。俺の力なんかじゃない」
それから3年経ったが、今のところ、おかしなことはあれから起きていない
だが、いまだに電話の着信が来ると身構えてしまう自分がいる
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