A「ガビガビの画質で、よく分からなかったんです初めは。でも、だんだんそれがお葬式だって分かって。」
S「お葬式の映像を見せられたって事ですか?」
A「はい。みんな喪服?っていうですかね、黒い服着て、泣いてる人とか、お坊さんとかが映ってました。誰かのお葬式を永遠流してる感じでした。」
A「そんで、場面が変わって、遺影を移すシーンになったんです。画質が荒くてよく分からなかったんですが、遺影に飾られてる人が▉▉さんだったんです。」
S「え?、あ、じゃあ自主制作のビデオってこと?」
声に動揺が見られるS氏
A「分かりません。▉▉さんはいつの間にか部屋に居なくて聞けませんでしたから。聞こうとも思いませんでした。不気味すぎて。自習制作だとしても、意味わからなくないですか?自分のお葬式のビデオなんて。でも、1番怖かったのはこれじゃないんです。」
S「確かに自分で作ったとしても不気味だな… それで1番怖かったことって?」
A「▉▉さんの遺影の場面が終わってすぐ映像が切り替わったんです。またお葬式でした。さっきよりも画質が良くて、新しいビデオカメラで撮られてるようでした。さっきみたいにまた永遠とお葬式の映像が流れて、最後に遺影が映されるんですが、今度は遺影に飾られているのが僕だったんです。」
S「えっ…?履歴書とか送ったんだっけ?」
A「何も送ってませんよ、その日初めて▉▉さんとは会いましたし…とにかく怖くて、▉▉さんが居ない事を何度も確認して、家から飛び出て逃げ帰りました。帰り道誰かにつけられてないかとか確認しながら」
S「えっ…こっわ……その後は何も無いですか?大丈夫ですか?」
A「いえ、特に何も…でもほんと怖くて…今日来たのも、取材を受けるのも、誰かに聞いて欲しくて堪らなかったからなんです。あと、もし良ければ調べて欲しいんです。あの映像はなんだったのか。遺影は僕の見間違いなのか、▉▉は何者なのか…」
S「そうですね……私もこの話を聞いて興味が湧きましたし、調べさせてもらおうと思います。しっかりと▉▉さんに取材をして、後日連絡しますね。それまで戸締りお気をつけてください。」
S「今日はありがとうございました」
A「ありがとうございました…」
ガチャと音がして、音声が切り替わる
*************
S「▉▉月▉▉日午後1時▉▉分」
S「今、Aに教えてもらったアパートの前にいます。これから▉▉に取材をします。アポ取ってないから隠し撮りです」
トッ、トッ、トッ
階段を上る足音
ピンポーン
インターフォンを鳴らす音。しかし誰も出る様子は無い。
S「留守かな?」
歩く足音
S「お隣さんに聞いてみようか、」
ピンポーン
インターフォンを鳴らす音
























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。