女性「嘘だと思ったら調べてみたらいいわ。GPS見たけどここで間違い無いみたいよ。」
言われた地名をメモして他の従業員に渡す。後ろで慌ただしく皆が動いていた。
「分かりました。もう一度聞きたいんですが先輩は無事なんですか?あと、何故オレの名前を知ってるんですか?」
女性「無事じゃないと思うわよ。〇〇君の名前は男から聞いたのよ。私ね、貴方みたいな子が大好きなのよねぇ。〇〇君が逃げたとしても絶対に探すわよ。気に入っちゃったもの。…あら、誰か来たみたいねえ。さようなら。また会いましょ」
通話が切れてしまった。先輩は?死んだ?転がってる?最後の会話の内容はなんだったんだろうか?またあの女性に会ったら今度は何が起こるのか?急に立ちくらみが起きそのまま気絶してしまった。
目覚めると近くの救急病院にいた。近くにいた看護師が自分が起き上がったのを見て先生を呼びに行った。医師からは3日ほど経過しており、親しい人物を亡くしたことによるストレスが原因で精神的に参ったのではと。
家族も来て自分が無事なことを喜ばれたが、こちらとしては喜べる状況ではない。
会社に連絡を取ると事務の方が今、そちらの方に上司が向かっていると話してくれた。上司から聞いた情報は以下の通りだ。
・トラックと先輩は発見された。場所はGPSと電話で聞いた通りの場所だった
・先輩以外に女性と思われる何者かの痕跡が見つかった。足取りは掴めていない。
・上司は電話の際、何故気絶したのか分からない。「貴方、うるさいわよ。」と言われてから記憶が無い。
・先輩は亡くなっていた。亡くなり方が普通では無い状態だったらしく、運行記録や防犯カメラの映像をかなり念入りに確認していた。
亡くなり方が普通では無いとは?疑問に思って聞いてみると上司からは思わぬ言葉が飛び出した。
「干からびており、死後数週間は経っているようにしか見えない状態だった。体液が全て干からびてしまったようなミイラのような状態になっていた。」
背筋が凍る様な気がした。先輩はなぜそんなことになってしまったのか。あの女は何者なのか?全く分からない。
お兄さんは怖くなり会社を辞めてしまった。そして遠く離れた場所に引っ越すことにしたそうだ。両親には反対されたが女への恐怖が勝ってしまった。遠くに引っ越せば女と会わなくて済むのではないか?直ぐに逃げ出したくて仕方なかった。
そうしてお兄さんは友人にこう言った。「だから俺はこの土地に来たんだ。ここまで離れていれば何故か大丈夫な気がしたんだよなぁ…あの件で引っ越さなきゃ行けない。遠くに来ないといけないと思ったんだ。」
お兄さんはタバコを取り出し吸い始めた。一息つくとこう話し出した。
「実はあの当時、変な噂はあったんだ。バックパッカーやら困ってる人間を見かけた。そうしたらなんと自分の好みのタイプの女。下心だろうが親切心だろうがその女を抗えず乗せてしまう。乗せたらその後、運転手が普通ではありえない状態でなくなっているのが見つかるっていう噂がな。先輩はおそらく抗えなかったんだろう。俺がなぜ無事なのかは分からないが。それとな…」
お兄さんはため息を着くと頭を掻いてこう話した。
「俺と先輩、女の好みが違うんだよ。先輩は自分より何歳も年上の女が好きでな。取引先の年齢がそこそこ離れた御局様にお姉さんって言って可愛がられててな。風俗行くにも歳上狙いだ。俺は若い女が好きでね…好みが全く合わねえって話してたくらいなんだよ。俺には若い女に見えていたが…先輩には多分、歳上の女性に見えていたんだろう。お互いめっちゃ好みだって言い合ってたこと自体が不自然だしな…あの女は一体なんだったんだろうな…」

























あるいはこの女性はサキュバスか何かなのでしょうか?