ツクモの怪談集【刀】
投稿者:四川獅門 (33)
長編
2021/03/20
15:18
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2011年 場所は伏す
夫を亡くした松村さんは、彼と暮らしたアパートを出て、引っ越す事にした。
そうする事で、前へ進もうとしていたそうだ。
松村さんは新居に飾るインテリアを買おうとアンティークショップへ向かった。
別れと出会いの春。冷たい雨が降った。
アンティークショップの棚を、暖色照明が暖かく照らしている。
その中に、一際目を引く物があった。
青いガラスの花瓶。
松村さんはその花瓶を買い、新居に飾った。
するとその日から、妙な事が起こり始めた。
食器を洗う音に混じって、リビングから何か聞こえる気がする。
明らかに手元の流しからではない、リビングから聞こえる音。
フッ……スッスッ……フッ……スッスッ……
水を止めて耳を澄ますが、何も聞こえない。
再び蛇口から水を出し、食器を洗う。
フッ……スッスッ……フッ……スッスッ……
作業をしていると確かに何か聞こえるが、作業を止め、静かに耳を澄ますと何も聞こえない。掃除や洗濯をしていても、同じ事が起きた。
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人形の話最後めっちゃゾクってした・〈=〉・