奇々怪々 お知らせ

心霊

ちょっとヒンヤリさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

みえないふり
短編 2025/02/13 14:41 385view

その時、粘度のある液体のようなものが垂れる音がした。

ボトッ……ボトッ……

心臓が速くなる。息が詰まる。

見ない。見ない。見なければ消える。

とにかく無視し、目を閉じ、ひたすら耐えた。
すると、いつの間にか消えている。

──そんな夜を何度か繰り返すうちに、やり過ごせるコツは分かってきた。

でも、それを繰り返しているうちに、恐怖の感情は 次第に怒りへと変わっていった。

「ふざけるな」
怒りと恐怖。

耳鳴りの夜が続き、精神は限界に近づいていた。

お祓いなんて頼めるツテもない。
仕方なくネットでお祓いについて調べるようになった頃だった。

──また、耳鳴りが始まった。

「チッ……」
苛立ちが先に立った。
金縛りに耐える。
もう見なくても分かる。天井の端にいる。

最早目を開けるまでもなかった。

──ボトッ

何かが、顔の上に落ちた。

生ぬるく、粘り気のある感触が頬を伝う。
それとともに、生臭いイヤな臭いが鼻につき、全身の毛が逆立った。

──ボトトトトトトトトッ
次の瞬間、顔の上に 大量の泥が降りかかる。

「ッ……!!」
喉が詰まる。息ができない。
口の中に泥が入り込む。
必死にもがこうとするが、金縛りで身体が動かない。
“あいつが真上にいる”

2/4
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。