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不思議体験

たちさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

嘘
長編 2025/01/24 07:42 1,177view
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すると突然、テントが激しく動いた。
崩れるんじゃないかというくらい揺れた。
私達は必死にテントが崩れないように押さえながら、また大声で威嚇し始めた。
テントの揺れは収まり静寂が訪れた。

「ジッ、ジーーー」
とテントの入り口のが少しずつ開き出した。
全員の視線が入り口に釘付けとなっていた。
ファスナーが全て開き、微かに開いている隙間から外に女性の姿が見えた。

「で、さっきのハナシのつづきは?」

という声と同時にテントの入り口が完全に開いた。
私はその瞬間から気を失ってしまった。

「おーい!起きろー」
「やっぱり寝てたよww」
誰かの話声が聞こえて目を覚ました。
そこには翌日に来る約束をしていた女性2人と男性の友人が1人、笑いながら立っていた。
他の連中も起こされたが寝起きのためか放心状態だった。
自分も含め、起こされた連中は昨夜の出来事をゆっくり思い出しながら話した。
「女性の幽霊?」
「本当ー?うちらをビビらそうとしてるんでしょ?」
確かにすぐに信じろという方が無理なのかもしれない。
私は、
「なぁ、砂浜見てこようぜ。」と言った。

海から上がり、砂浜を歩いたのだから足跡があるはずと思ったからだ。
昨夜の体験をした全員走って砂浜に向かった。
砂浜に目を向けると私達は思わずゾッとした。
そこには海から川へ向かう足跡がハッキリと残っていた。
昨夜の出来事は本当だったのかもしれない。
私達は無言のままテントに戻った。

「それより、お前はなんでピンピンしてるんだ?」
女性2人とは別の友人に声をかけた。
「なんでって、昨日、こいつらと一緒に俺も帰ったじゃん。車運転して。」
私は混乱した。
「えっ?は?じゃあ、昨日の夜にここに残ったのは3人?」
「そうだよ!帰るって言ってたじゃん。覚えてないのかよー。昨日、どんだけ飲んだんだよー」
と女性2人と男性の友人が笑っていた。

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