それは1.5mくらいの長さで、凉太の腰くらいの高さがあった。
見たことがないくらい大きなナメクジだ。
しかも頭部の部分にはじいちゃんの顔があり、後ろには長く大きな体躯が続き尻尾がある。
「今、父ちゃん呼んでくるからね!」
凉太が言うと、
「行かなくていい……」
じいちゃんは弱々しく言った。
「え!?」
意外な言葉に凉太が立ち止まる。
じいちゃんは虚ろに目を細めながら続けた。
「行かなくていいんだ……
とても良い気持ちなんだ……
何というか温かく包まれていて、悩みも苦しみも痛みももうなにもない……
これはまさに……」
満足げに目を瞑ったじいちゃんの顔は頭の方から徐々に消えていくと被さるようにいつの間にか、あの気味の悪い二本の触覚を持つ顔が現れ口をムシャムシャと動かしている。
巨大なナメクジはマダラ模様の体躯をゆっくり波打たせ、枯れ木をかき分けながら木立の暗がりの中に消えていった。
【了】
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じいちゃん喰われたのはショックだったけどあんなことしてたら流石にナメクジに同情してまう
きもっ
怖いというかなんか恐い
怖いけどナメクジがかわいそう
じいちゃん可愛そう
ナメクジへの同情には驚きました!
━ねこじろう