イリガミ
投稿者:四川獅門 (33)
短編
2021/03/18
22:10
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その犬の首を焼いて頭蓋骨を祀ると、永遠に術者に憑き、あらゆる願いを成就させる。
その反面、呪物としての力も強力らしい。ある者は、人が行き交う道にこの頭蓋骨を埋め、犬神の憎しみを更に高め、呪術を取り行ったという話も残っている。
三、顛末
再度祈祷が捧げられ、現場での作業が再開された。
怪我人を除く4人だけでの作業になった。
解体は順調に進み、長らく放置されていた犬神神社は更地となった。
しばらく経って、怪我をした西野さんと先輩は退院したが、そのまま辞職した。
上田さんは独立し、東京で一人親方として解体業を続けている。
今でもたまに、嫌な仕事が舞い込むそうだ。
「最近知った話なんですが━━」
地元の親方は自殺したらしい。
四つん這いで電車に飛び込んだそうだ。
あの日一緒にいた他の作業員は全員音信不通である。
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これからの時代、守る人のいない神社も増えるしこういう話も近場にできそう
動物虐待にもほどがある…
文章がわかりやすい