今休憩してるここはホテルの13階の一室であり、眺めがかなり良く、また確かに俺の通っている高校もそこから見えるのだった。
「え!あー、どれっすか」
俺も同じようにパイプ椅子から立ち上がり窓の外を眺めた。
指さす方向には確かに俺の高校が見える。
「あーそうっすね…あれが俺の…私の高校です」
危ない、また一人称を癖で。
おばはん達にはあまり弄られたくない。
おばやん2人と窓の外をあれこれ指さしてあーでもないこーでもないとくだらない事を言い合う。
そして石野さんは会話に一切混ざらず聞いてるのか聞いてないのかは分からないがスマホをスクロールしている。
そんな時間が流れた。
その時だった。
視界の端になにやら異様な物が映ったのだ。
「ん?なんだ今の」とその方向に視線を向ける。
なんだ?デカイぞ。
なにか、デカイのが、壁に、張り付いて。
「え…」
それがなんなのか分かってしまった俺は「うわぁぁぁ」と叫び声を上げてすっ転びそうになってしまった。
俺の声におばやん2人も「ぎゃぁ、ちょっとなになにっっなんなのよっっっ」と愕然としていた。
俺は慌てて「い、いやすみません…なんでもないんですほんと」と謝ってパイプ椅子に戻った。
おばやん2人のこいつ変な奴だなと言わんばかりの視線をたっぷり浴びながら俺は自分の心の平静を保とうとしていた。
そんな俺の姿を石野さんは視線だけこちらに向けてじっと見ていた。
「あーあ、石野さんにも変な人だと思われた」と少ししょげながらも今自分が見た物はなんだったのかと思考を巡らせていた。
あんなにデカイのは初めて見た。
得体が知れない。






















けっこうこわかったです。
さすがに44Pもあると途中で挫折しました。
ぜひ今度5Pくらいの短縮版を書いてください。
怖くはない。だが悪くはない。
しんれいかいきみすてりーふうの、とあるぼうけんたん、ちょうへん。
主人公が俺っ娘だとは、ある一節まできがつかなかった 。
いつも空いている席の正体に続く、二作品目読ませていただきました。ジャンルとしては、心霊というより田舎・伝承系でしょうか。
師匠シリーズ、なつのさんシリーズのように登場人物に統一性があり、続編小説を読んでいるようでとても面白いし、なるほど、と思える話でした。次の話も楽しみにしています。
一作品目の話と、こちらの話は、朗読させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
俺は高2なのに1コ上の石野さん大学生なんです?