それは相変わらず壁に張り付いていて時折ぶるぶると体を震わせるような動作をしている、コーヒーのお供にはあまり向いていない光景。
しばらく見てると「ん?」と目を凝らす。
そのお相撲さんを思わせる体型の女幽霊は一際激しくぶるぶると体を震わせると尻のほうから何かを垂れ流した。
「まじ…かよ」
まだ寝始めて30分と経ってない鎖を俺は叩き起した。
思いっきりビンタされたので次からは優しく起こそうと心に誓いながらその現象について説明する。
「うんこしたんだって!幽霊が!!」
「あぁ…そんな事……アレは日に10回くらい排便するから……別に珍しくないわ……おやすみなさい」
鎖はそう言ってまた夢の続きを見始めた。
幽霊が排便だって?
おかしい、おかしいだろそれは。
あれはもう死んでるんだ。
だから摂取する栄養も、それを出す行為も必要ないはずなのだ。
腑に落ちない気持ちを抱えながら俺は観測に戻った。
鎖の言っていた通りその霊はその後も何度か排便のような行為をした。
鎖に比べるとオカルト的知識が小学校低学年レベルの俺にはアレがとことんイレギュラー過ぎる存在である事くらいしか分からなかった。
朝。
何度か落ちかけた意識を無理やり奮い立たせ今では逆に目が冴え始めてきた。
峠を超えたというやつだ。
昨日作った鎖対応マニュアルを一通りこなすと約束の時間になったので俺は鎖を赤子を扱うように優しーく起こした。
「はぁ、寝起きであなたの顔を見ると永遠に眠っていたくなるわね」
そう言うとすぐバスルームへ行き俺がさきほど作った泡風呂に浸かってしまった。
鎖は湯に浸かりながら外で待つ俺に「何か変化あった?」と聞いてくる。
「あの後3回うんこした」と答えると「貴方お腹壊してるの?」と返される。























けっこうこわかったです。
さすがに44Pもあると途中で挫折しました。
ぜひ今度5Pくらいの短縮版を書いてください。
怖くはない。だが悪くはない。
しんれいかいきみすてりーふうの、とあるぼうけんたん、ちょうへん。
主人公が俺っ娘だとは、ある一節まできがつかなかった 。
いつも空いている席の正体に続く、二作品目読ませていただきました。ジャンルとしては、心霊というより田舎・伝承系でしょうか。
師匠シリーズ、なつのさんシリーズのように登場人物に統一性があり、続編小説を読んでいるようでとても面白いし、なるほど、と思える話でした。次の話も楽しみにしています。
一作品目の話と、こちらの話は、朗読させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
俺は高2なのに1コ上の石野さん大学生なんです?