「ほい、ルームサービス」
「あら、貴方今はメイドじゃないってさっき言って無かったかしら?」
「まぁそーだけど扉の前さ、会ったからついでに持ってきたぞ」
「信じられないわ、ルームサービスが何故部屋の中へ持ってこないのよ、しかも廊下に放置しておくなんて、このホテル最悪ね」
あー、会ったって言うのはお盆を持った不憫な男に会ったって意味だったんだけど、そう捉えたか。
あとこれに関してはお前の普段の従業員に対する態度が引き起こしてるんだけどな、と心の中でボヤキながら俺はお盆をデスクへ置いた。
「要らないわ、廊下に放置されていた物を口にするほど、私の口は安くないの」
「あまじで!?ラッキー!!」
俺はデスクに座ると椀のフタを開けた。
ほう、今度はローストビーフ丼ですか、最高だぜ。
頬に米を貼り付けながらカッ食らう俺を何やら軽蔑のような視線で一瞥した鎖が本題を口にした。
「貴方、それが食べ終わったらさっさと仮眠でもしなさい」
「え?いやーまだ寝る時間でもねーけど」
なんだ?もしかしてもうベッド・インしたいのか?待ってろ腹を満たしたら次は性欲も、と考えていると鎖が恐ろしい事を言い放った。
「何を言っているの?私は夜10時には寝るの、だからそこから朝私が起きるまでは貴方が代わりにアレを観察するのよ、だから今のうちに寝ておきなさいって言ってるの」
俺は喉にローストビーフを詰まらせ、咳き込むと慌てて備えおきのミネラルウォーターで流し込んだ。
「は、はぁ!?あんな化け物をお前が起きるまで一晩中見張ってろって言うのか!!」
なんかおかしいとは思った。
鎖にしては優し過ぎると。
やはり裏があったわけだ。

























けっこうこわかったです。
さすがに44Pもあると途中で挫折しました。
ぜひ今度5Pくらいの短縮版を書いてください。
怖くはない。だが悪くはない。
しんれいかいきみすてりーふうの、とあるぼうけんたん、ちょうへん。
主人公が俺っ娘だとは、ある一節まできがつかなかった 。
いつも空いている席の正体に続く、二作品目読ませていただきました。ジャンルとしては、心霊というより田舎・伝承系でしょうか。
師匠シリーズ、なつのさんシリーズのように登場人物に統一性があり、続編小説を読んでいるようでとても面白いし、なるほど、と思える話でした。次の話も楽しみにしています。
一作品目の話と、こちらの話は、朗読させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
俺は高2なのに1コ上の石野さん大学生なんです?