というか女同士のエチケットってどんな感じなんだ?と想像に胸を膨らませながら、俺はいつも使っている従業員用の出入口とは反対の方向に足を向け、お客様として堂々とホテルの入口へ入った。
こっちから入るのは新鮮なので、なんだか悪い事をしているような気がしてソワソワしてしまった。
鎖が宿泊している15階5号室の前へ着くと、俺は見知った顔に会った。
俺はその男の顔を見て脊椎反射で罵倒した。
「お前アホか」
「な、き、君は誰だい!?」
確かに帰る時、ルームサービス男がまた廊下でお盆持ってうろちょろしてるのを見かけた気がしたが、まだ居たのかこいつ。
「ほら、いいからそれ貸せ…俺が届けるから」
「お、俺?……んーまぁいいか、ありがとう!君が誰だか分からないけど助かったよ!!」
ルームサービス男がルンルンスキップで廊下を戻って行くのを尻目に、俺は5号室のチャイムを鳴らした。
「おい鎖、来たぞ!」
扉の向こうからはまた前と同じように「入りなさい」と声が帰ってきた。
「いや、俺今メイドじゃねーからカードキー持ってねぇよ」
俺の声が届いたのかしばしの静寂が流れる。
何となくだが「ちっ、面倒くさいわね」みたいな声が脳内に聞こえた気がした。
しばらくしてガチャっと扉が開かれる。
扉の中からは不機嫌そうな顔を貼り付けた鎖が顔を覗かせた。
「面倒くさいわね、貴方次出勤したらマスターキーでもくすねて来なさい」
「無茶言うなよ」と返しながら俺はしずしずと5号室へ入った。
さっき綺麗にしたはずなのにもう若干散らかり始めてる部屋の床に顔を顰めながら俺は手元のお盆を見せつけた。
























けっこうこわかったです。
さすがに44Pもあると途中で挫折しました。
ぜひ今度5Pくらいの短縮版を書いてください。
怖くはない。だが悪くはない。
しんれいかいきみすてりーふうの、とあるぼうけんたん、ちょうへん。
主人公が俺っ娘だとは、ある一節まできがつかなかった 。
いつも空いている席の正体に続く、二作品目読ませていただきました。ジャンルとしては、心霊というより田舎・伝承系でしょうか。
師匠シリーズ、なつのさんシリーズのように登場人物に統一性があり、続編小説を読んでいるようでとても面白いし、なるほど、と思える話でした。次の話も楽しみにしています。
一作品目の話と、こちらの話は、朗読させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
俺は高2なのに1コ上の石野さん大学生なんです?