excuse me

「because you are Santa Claus！」

何を隠そう、私は白ヒゲをたくわえていて、しかも赤いコートが好きなのでいつも着ていて、苫小牧に農場があってヘラジカを飼っている。

「え、ちょっと待って。わざわざ沖縄からサンタクロースっぽい人探して北海道まで来たわけ？why did you come here！
まずgo to Finland！」

すこしだけ静かな時間が流れて、その子は
「i am a sorry」とだけ呟いて、もう何も言わなくなってしまった。

自分がどんなに残酷なことをしたのか、

すぐに解った。
私は確かに彼にとっては　サンタクロースだったのだ。

翌日の深夜2時、もう「excuse me!」は聴こえてこない。
あの子がどうして迷っていたのか、たぶんもう、知ることはできない。
あの時ちゃんと抱きしめてあげるべきだったのに。

今年のイブに私は、嘉手納へ訪れるつもりだ。
そうして基地の人にこう語りかける。
白いヒゲで、赤いコートで。