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不思議体験

kwaidanさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

悪夢
短編 2024/11/18 07:50 206view

彼が語るその内容は、どういうわけか私が幼い頃に繰り返し見た悪夢そのものだった。

夢が現実を侵食し、目が覚めても薄れることのない恐怖。

その夜もまた、私は悪夢にうなされて目を覚ました。

裸電球のかすかな光が部屋の隅をぼんやりと照らし、夜風が窓をきしませていた。

一瞬の安堵が全身を覆った次の瞬間、足元から「ごそごそ」と何かが動く音が聞こえた。

冷たい感触が布団越しに伝わり、背筋が凍った。

意を決して布団をめくると、そこにいたのは「アイツ」だった。

泥だらけの髪、狂気を宿したギラつく目、歪んだ笑みの口元には赤黒い何かがこびりついている。

痩せた身体に不釣り合いな右手には、錆びた草刈り鎌が握られていた。

その姿が目に入った瞬間、喉が凍りつき、声が出なくなった。

「ヒヒヒヒヒ」

耳を刺すような笑い声が静寂を切り裂く。

アイツはぎこちない足取りでじりじりと近づいてくる。

冷たい風が部屋を吹き抜け、私の肌を刺した。

体は硬直し、逃げ出すどころか一歩も動けない。

ただ、錆びた刃が振り下ろされる瞬間を待つしかなかった。

次の瞬間、膝から下がスパッと消えた。

だが奇妙なことに血は出なかった。

むき出しの筋肉と骨が視界に入り、痛みもない。

あるのは、自分の体が壊れていく音と、圧倒的な恐怖だけだった。

アイツの刃は次々と私の四肢を切り落としていく。

やがて私は壊れた人形のように床へ転がり、目しか動かせなくなった。

その瞬間、場面が変わった。

気がつくと私はベッドの上にいた。

荒い息を整えながら、夢だったのだと安堵する。

だがその安堵は、再び聞こえてきた「ごそごそ」という音で破られた。

布団越しに視線を向けると、そこには再びアイツがいた。

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