私の秘密
投稿者:たち (8)
長編
2024/11/13
23:30
3,339view
それを聞いた瞬間、一瞬でゾッとしました。
聞こうか迷ったが、
「すいません… Aが最初に見つかった場所って?」
と恐る恐る聞くと
「○○○の漁港で。漁師さんが見つけてくれたの。」
「やっぱりか…」
その漁港はあの灯台の近くにあり、よく自殺した方が流れてくる所。
自殺、
灯台、
手形
私は、 Aと漁港近くにある灯台に行ったこと、その灯台で Aを見つけてその場から立ち去ろうとした時の視線、灯台に纏わる噂にある手形のこと、灯台での出来事を話そうとしました。
しかし、今にも出てきそうな言葉を、グッと堪え、母親に、
「そうなんですか…」
としか言えなかった。
「言わない方がいい。信じてもらえるかわからない。こんな非日常的な話。普通に考えてありえない。親御さんがあまりに可哀想だ。悔やんでも悔やみ切れない…」
そう考えた私は、灯台での出来事を伝えず、私の中だけに留めておくことにしました。
私だけの秘密として。
最後に、 Aの遺影を見て家を出ました。
すぐに帰宅する気にならず、少しウロウロすることにしました。
自然と Aと再会したコンビニに向かっていました。コンビニに到着し、缶コーヒーを飲みながら、
「あーあ… Aと再会した時に戻れればな」
とコンビニを見つめながら思いました。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 12票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。