熱中症
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/08/02
07:33
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改めて振り向くと、いつの間にか男は右手に持った鉄パイプを振り上げていた。
うわっ!
俺は小さく悲鳴を上げると走り出す。
やがて前方にアパートが見えてきた。
俺はゼイゼイ息を切らしながら入口に駆け込むとエレベーターには乗らず、コンクリートの階段を一気に駆け上がる。
それから3階の渡り廊下を進み玄関ドアをもどかしげに解錠し室内に入ると、ドアロックしチェーンを掛けた。
ドアに寄りかかり、息を整える。
額から生暖かい汗が次々流れているのが分かる。
心臓が早鐘のように脈打っていた。
━いったい何なんだよ、あの男は?
ボソリと呟くと、俺はしばらく玄関口に座り込んでいた。
それからようやく落ち着くと立ち上がり浴室に行き、軽くシャワーを浴びる。
そしてリビングのソファーに座ると冷えたビールを一気に飲み干し、ほっと一息ついた。
ふと正面の壁に設置した液晶テレビの画面に目をやると、七三分けをしたくそ真面目な感じのアナウンサーが記事を読み上げている。
「ここ連日の記録的な猛暑により全国で多数の人が熱中症で倒れ救急搬送されております。
この話は怖かったですか?
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嫌ー!
コメントありがとうございます
━ねこじろう
臨場感ありますね。
,ありがとうございます
━ねこじろう
応援してます。
ありがとうございます
━ねこじろう