熱中症
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/08/02
07:33
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その日は土曜日というのに車内はガラガラで、俺は長椅子の真ん中にどっかりと座った。
自宅アパート最寄りの駅までは約30分。
連日の仕事の疲れからか、腕を組んだままうとうとしだす。
そして少しの間が過ぎた頃だったと思う。
「あの、、、隣、空いてますか?」
突然耳に入る女のか細い声。
驚いた俺は顔を上げた。
いつの間にか正面に、肩までの黒髪に白いマスクをした痩せた女が不安げな顔で立っている。
思わず左右に視線をやった。
長椅子には俺以外誰も座っていない。
すると今度女は
「わたし、、わたし、今日はすっごく暑かったからくたくたなんです!
だから、、だから、、」と今にも泣きそうな顔で訴えだした。
俺は慌てて
「は、、はい、どうぞ」と言うと、心持ち左側に体をずらす。
女は「すみませんすみません」と何度も頭を下げながら俺の右隣に座った。
─なん何だ、この女、頭おかしいのか?
この話は怖かったですか?
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嫌ー!
コメントありがとうございます
━ねこじろう
臨場感ありますね。
,ありがとうございます
━ねこじろう
応援してます。
ありがとうございます
━ねこじろう