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ヒトコワ

バクシマさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

私 そこに吊られていますから
長編 2024/07/18 13:36 5,463view

7月20日
これから怪談朗読の生放送をしなくてはならない。
だが、気が重い。
あいつが現れるのではないかと気が気でならない。
あいつ・・・そう・・・バクシマ・・・
そもそもの発端・・・きっかけ・・・
いや、元凶は動画サイトの生放送で、とある怪談を朗読したことだった・・・

それは遡ること

6月1日①
その怪談は、引用元の怪談投稿サイトの作品群のなかでも場違いに砕けた内容だった。
しかし緊張感のある怪談を何本か立て続けに朗読していると、たまにはこういう箸休めもつまみまくなる。
が、投稿した怪談朗読動画についたコメントにひとつ、不穏なものがあった。
「応援します!頑張ってください!」
コメントの内容自体は当特段変わったものではない。
が、問題はコメント主の方である。
コメント主の名前には「バクシマ」とあった。
この名前は見覚えがあるぞ。
たしか箸休めの作者じゃないか。
むう、さてはエゴサーチしてホイホイ現れたのだな。恥ずかしい奴め。

とりあえずは当たり障りなくコメントを返してみる。
「見ていただきありがとうございます。好きな作品なので一発目に読ませていただきました。これからも頑張ります」
ふむ・・・こんなところか。
それから数日後、かつて贔屓にしていたラーメン屋に久しぶりに行ってみた。
しかし、どうやら味が落ちたようだ。妙に塩辛い。
これも材料費高騰の煽りだろうか。
あるいはバクシマに絡まれたことと関係があるのだろうか
ふむ・・・まほあこでも観て気を取り直そうか。

6月8日②
前回の生放送から一週間が経過した。
俺は再び怪談朗読の生放送をあげた。
気の迷いだったのかもしれない。
ついバクシマの怪談からまた朗読をしてしまったのだ。
タイトルは「廃旅館からの誘い」
内容をみると、どうやら洒落怖の「旅館の求人」からパクっているようだ。作者はオマージュだと言い張るだろうが。
しかし旅館の室内でテントを張っているのはなぜだろう。
さしずめ「ゆるキ◯ン」の影響を受けたに違いない。
ペグ打ちとか、初めて聞いた言葉を使いたくなったのだろう。衝動に対して堪え性がない・・・そんなこいつは、大垣千明が好きに違いない。リンちゃん派ならもう少し理性的に振る舞うはずだ。
さて、「廃旅館からの誘い」を朗読し終わったので、次の作品を朗読する。

ふむ、まっとうに怖い。これこそ怪談だ。
恐怖のなかの心地よさ。良い気分だ。
たが、急に不穏なコメントが流れてきた。
バクシマ:「拙文の朗読ならびに身に余るお褒めの御言葉ありがとうございます。いま執筆中の座敷童子の猥談を完結させる勇気を貰えました」
げえ、奴だ。
ここで現れるなよ!気まずいだろうが!さっき読んだところなんだぞ!
浮かれたのか!?嬉しくなっちゃったのか!?無言でリスニングに徹しようとしたけど、作品を褒められて嬉しくなっちゃったのか!?
そういうところだぞ大垣!!
・・・とりあえず、この招かれざる客は適当にあしらうとしよう。
そしてシャンプーティッシュの話をはさみつつ、特段に問題もなく動画を締めた。
いやー、なんだろう、この感覚。
ベランダに珍しい虫がいたから窓を開けたら、不意に部屋に飛び込まれたような不快感だ。
そういや「廃旅館からの誘い」の語り手もこんな奴だったな。マジに作者本人なんじゃねーのか?
うーん、
この相手のパーソナルスペースにグイグイ入ってこようとする感じ、やはり大垣派とは分かり合えん。
俺は 犬山あおいが好きだが、犬山あおいではないのだ。
その後、
バクシマのエセ怪談を読んから、どうも体調がすぐれない。
食欲も湧かず、野菜やナッツで凌いでいる。
ウーパールーパーみたいな白身魚ならぎり食べられるだろうか・・・
とにかく今日は早くに寝よう・・・

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