妻の言葉に私は耳を澄ましてみる。
ドン、、、ドン、、、、
確かに微かにドアを叩いているような音が聴こえる。
そんなに強くというわけでなく何か戸惑いながら弱めにという感じで、、、
ドン、、、ドン、、、、
時刻はもう1時を過ぎようとしていた。
私は起き上がりベッドから降りると、寝室を出る。
廊下の突き当たりには、見慣れた玄関口の光景。
玄関ドアの上方には縦長の窓枠があり、磨りガラスが嵌まっている。
私は玄関口のところまで歩くと、そこに立ってみた。
いよいよ本降りになってきた雨音が聴こえる。
しばらくそこで様子を伺ってみたが特には何の異常もなさそうだったから再び振り向き、寝室に戻ろうとした時だ。
ドン、、、ドン、、、、
今確かに聴こえた玄関ドアを叩く音。
恐る恐る振り返った途端、サッと背中を冷たい何かが突き抜ける。
それは玄関ドア上方の磨りガラス。
そこにぼんやり人影があるのが見える。
「どちらさんですか?」
恐る恐る尋ねてみる。
人影はしばらくそこにいたが、やがて暗闇に溶け込んでいった。
※※※※※※※※※※
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 32票























さすが、という内容でした。
面白かったです。
とく
お褒めの言葉、ありがとうございます
─ねこじろう
読みごたえ、ありました。
ありがとうございます
─ねこじろう
1ページ目の「そのビジネスホテルは駅のすぐそばだったから…」はカプセルホテルの間違いかと思います。
この話では駅前のビジネスホテルの一部フロアをカプセルとし、他のフロアは大浴場及びシングルダブルの一般のビジネスホテルフロアという設定にしたのですが。
━ねこじろう
「微唾みの泉」とは何でしょうか
知識不足ですいません..
私がよく使う、眠りに落ちるときに用いる表現です
ちょっと象徴的すぎましたか?━ねこじろう