「3つ目のねがいごと」
投稿者:黒いうさぎ (4)
記憶の中のイヤな部分はいつのまにか消えて、楽しい記憶を一緒に掘り出すのが心地よくて、そのまま自然に彼女とカフェに寄って取り止めもなく話し込んだ。
サキちゃんは今は夜のお店で人気者なこと
マリコはあの後中学を出てすぐ結婚したけど離婚して、今は寂しく暮らしていること
私は、最近子供ができたので仕事を辞めようと思っていること
思い出話が続く中、不意に私はずっと引っかかっているあの時のことをサキちゃんに聞いてみることにした。タカナシくんのこと。そして「ねがいごと」のこと。
彼女だって覚えているに決まってる出来事だと私は信じていた。
タカナシくんって、いたよね
そう私が口に出すや否や、サキちゃんは可笑しそうに、面白い話なんだけど、と言った具合に返した。
「タカナシユウヤね。友達に聞いたんだけど、アイツ引っ越したんじゃなくて、父親に無理心中されたらしいよ。家に火ぃつけたんだってさ。こわいよねー。」
わかっていた。
ケラケラ笑うサキちゃんは「ねがいごとが叶う紙」のことなんてもちろんすっかりと忘れている。当然だ。
色えんぴつのことだって、タカナシくんのことだって、偶然に決まってる。あんな小さな文房具屋で数十円で売っているような紙に、願い事を叶える力があるなんて考える方がどうかしているのだから。
でも「ねがいごとが叶う紙」はずっと、ずっと、私の心から消えずに残っていた。溶かそうとしても散り散りになった破片が私の心のどこかに残り続けていた。
最後に残った3枚目。
タカナシくんの願いを書いた後、家に帰って一人で紙に書いた3つ目の願い。
叶うわけない。子供ながらにバカバカしいと思いながら書いて水に溶かした願い。
すごくいいですかなりゾクっとしました!
子供の幼少期の残酷性を上手く取り込んでますネ。
细思恐极
もしその願いが叶ったら…赤ちゃん……
上手い
子供って結構口で死ねとかいうけど願いが叶うとわかってから死を願うって…怖い
マリコちゃんの「自分一人の部屋が欲しい」も大人になってから叶ったんだね
マリコちゃんの「自分一人の部屋が欲しい」も大人になってから叶ったんだね
すげぇ……よくそういうところ気付けるなぁ
口は災いの元ってか(口じゃないけど)
マリコちゃんの「自分一人の部屋が欲しい」も大人になってから叶ったんだね
この一言が一番怖いんですけど 汗
すごい!新しいの楽しみにしときます!
紙は水に溶けても、心のしこりは一生溶けずに残り続ける、と
話の中に皮肉とちょっとした伏線も張ってあってよく出来てるなぁと感嘆しました。
お見事です!
出来すぎた話だけど、リアリティがあって秀作。分かってない人も居そうだから一応解説入れとこうかな。
サキちゃんは「美人」
マリコちゃんは「独り部屋」
それぞれ大人になってから叶った。
私ちゃんは「赤ちゃんが死」
妹は大学生になった=願いが叶ってない
最近子供が出来た
もう、分かるよね?
誰のあかちゃんがって指定されてないから呪いが返ってくるんだろな