部屋に籠るなにか

何だ？　いつになったら開くんだ
慎重にもほどがあるだろ

いや、これはまさか、俺が潜んでいることがバレているのか？

どうするか
だんだんと身体が痛くなってきた

別にどうしても見たいわけじゃない
諦めて1階に戻るか

そう思っていたところだった

ぎぃいいい

きしむ音がしたので見てみると、ドアがゆっくりと開いていた

来た
俺は息を殺し音を立てないようにした

さてさて
どんなやつなのだろう

少しして、奥から手が伸びてきた
骨と皮しかないような細い腕だった

最初はずいぶんと痩せてるなとしか思わなかった

だが、すぐに異常に気付いた

腕はどんどんと伸びていく
気付けばそれは人の身長くらいにまで伸びていた

2メートルはあった

カンカン

腕と同じく異様に伸びた指で食器を何度か叩くと、食器を掴み部屋の中に持って行った
そして、またきしみ音を鳴らして扉が閉まった

俺はしばらく動けなかった
少しして息が苦しくなった
自分がちゃんと呼吸をしていないのに気付いて意識をして呼吸するようにした

なんだ今のは？
なんだ今のは？

訳がわからず叫び出したい衝動が湧き上がってくる
俺はそれを必死に抑えた