変な看護師さん
投稿者:ねこじろう (147)
ここはもともと小児科入院患者のためのフロアだったのだけど、少子高齢化のせいもあって小児科はここよりもっと狭い別フロアに移動され、ここは20歳から60歳くらいまでの内科•外科入院患者のためのフロアに配置転換があったの。
だから私ね前はここで小児科入院患者の看護をしていたわけ。
そこはね重い病で療養している子供たちがたくさんいたんだけど、その中に一人ちょっと変わった女の子がいてね。
仮に未奈ちゃんとするよ。
未奈ちゃんはいろいろ家庭的な複雑な事情があって監護する両親がいなくて、特別養護施設で暮らしていたの。
というのは彼女は当時12歳で先天的に重い脳の病を患っていてね、最後はここに入院することになって何度か外科手術もしたんだけど経過はあまり思わしくなくて入院してから1年もしないうちに亡くなってしまった。
それが去年のことだった。
私ね、未奈ちゃんを最初から最後まで担当しててね、
すごくおしゃべりが好きな女の子で入院してきてから亡くなるまでの間、事あるごとにいろいろ話してたんだ。
初めの頃はしっかりしたことを言っててね、将来はお姉ちゃんみたいに看護師になって人助けするんだとかね。
でも病状が悪くなっていき最後はガリガリに痩せて髪の毛も失ってからは支離滅裂な恐ろしい事を言うようになってきてね。
亡くなる数日前には彼女こんなことを言ったの
『お姉ちゃん私ね、同室の子とかがねいよいよ明日退院していくという時の嬉しそうな顔を見てると、あの子翌朝死ねば良いのにとか本気で思ったりしてたんだ。
だって自分だけが独りぼっちで苦しみながら天国にいっちゃうなんて絶対におかしいと思うの。
だからもし天国に召されたらそこで看護師になってね、こっちの世界の人をあっちに連れてきてあげようと思ってる。
そして天国で精いっぱい優しく看護してあげるんだ』って真剣な顔で私に話してた。
そして未奈ちゃんは間もなく亡くなるんだけど、その後科の移動があってしばらくした辺りから、たまにこのフロアで退院間近に控えた方が何故か突然死するということが起こるようになっていたんだ。
でね、その未奈ちゃんがいたのが実はこの部屋だったの」
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退院間近の入院患者の突然死、そしてあの日の昼夜木村の病室に現れた変な看護師、それらが全て果たして未奈ちゃんの霊が成した業だったのかどうかは今となっては分からない。
ただ木村はまだ左足が完治に至らない状況であるにも関わらず、病院側に強く希望して他病院への転院をすることにした。
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それから日が経ちなんとか左足も治り、ようやく社会復帰した彼は再び仕事漬けの日常に没入していく。
病院での話しは、やはり怖いですね((゚□゚;))
人の生き死にに関わるところですから、やはり怖いこともあるでしょうね
─ねこじろう
なんだチミはってか! そうです。私が変な看護師さんです。
最後の一文はあの世に連れて行こうとしてんのかな?