マッチが売れた少女
投稿者:HPMPラブクラフト (6)
「全部、弁償しなさい!」
その理不尽な音は残響し、急いで道を進む人の身体にも響き渡った。
「で、でも、わたし今お金をもっていないんです」
寒さなのか、それとも、恐いのか分からないが女の子は震えている。
「は?ふざけないでよ!!お金がないなら警察に連れて行くわよ!」
「そ、そんな、それはやめてください!お願いです!」
と慌てる女の子には身体には合わないバスケットを大事そうに持っている事に少女は今更ながらに気付いた。
「ふーん、そうね、お金がないなら、そのバスケットの中身で許してあげてもいいわよ」
少女は冷たく微笑み、バスケットを撫でた。
「そ、そ、それはこまります」
女の子の額からはゆっくりと汗が垂れる。
「困るで済む訳がないでしょー?」
女の子は必死になって口を開く。
「このバスケットは、おばあちゃんに届けにいくのです!!」
「君たち!」
少女、女の子、共に声のした方向に首が自然と動く。
見ると、二人の騒ぎに誰かが通報したのか、スラリと身長の高く偉そうな警察官が少女と女の子の後ろに立っていた。
警察官は目を細め、深く被っている濡れた帽子を親指でクイッと上げて質問する。
「今、少しばかりだが、ちょっといいかな?」
もしかして、私捕まるの?
少女はビクッと身体を振動させて、神経の中で電気が弾けて停止した。やがてしぼんだ肺はやがて膨らみ、穴の開いた舌は緊張しつつも柔らかく運動した。
「な、なんでしょう?いやはや、お疲れ様ですわ」
「うむ、実は君たち二人が口論し、道で騒いでいると言った連絡が入ってね」
警察官は二人を軽く見つめて話す
「署まで来てくれないかな?」
「そ、そんな事をいわれても、って、あなた少しくらいは何か言いなさいよ」
少女はそう言うと女の子に目を移す。
みると少女は女の子から違和感を感じた。
ギシ、ギシと石と石を研磨する様な音がするのだ。
とても動揺しているのか、黒く大きい瞳はギョロ、ギョロ、見えない空気の泡を追いかけている。また、白い乳歯の奥歯を噛み締め顎を動かしている。
カオスwww
こわ
好き