合わせ鏡
投稿者:撫子 (4)
短編
2024/03/15
14:22
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階段を通って一階へ逃げなければならないのは心底肝が冷えた
さっきの女が後ろにいて突き落とされるんじゃないか
そんな妄想が頭をよぎったが
私の心配とは裏腹に無事一階に着き
台所で水を飲んでカラカラに乾いた喉を何とか潤した
その後、私はすぐに自室の合わせ鏡の状態を止めた
女が映った小さな置き鏡は見るのも怖かったので
当時持っていたディ○ニーのメモ用紙で鏡の部分を覆いつくし
何も映らないようにした
いくら幽霊を見たとはいえ昔から愛用していた鏡を捨ててしまうのは忍びないという思いからの行動だった(今思えば大分滑稽な見た目だったが)
その状態で3年くらい経過したが
さすがに中学を卒業するころには当時の記憶も薄れてきていたので
合わせ鏡にならなければ問題はないだろうと思い
メモ用紙をすべて外した
以降変わったことは起きていない
しかし、自宅ではもう二度と合わせ鏡はするまいと思った
そんな話でした
【余談①】
私がその後進学した高校には新築の校舎があり
そこのトイレ(の洗面所)が壁一面に貼られた大きな鏡同士が向かい合って
何十にも合わせ鏡の状態が続いているという
ものすごい造りをしていた
合わせ鏡で一度怖い目に遭っている私としては気が気でない場所だった
【余談②】
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