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不思議体験

綿貫 一さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

【あの頃の怪談②】写真
長編 2024/02/03 18:51 4,245view
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見ると、写真の右下にオレンジ色の数字で、写真が撮影された日付が印字されていた。
1991年。
小学校当時のものだ。

「カレシによく似た別人。現像した写真屋が、写真を混ぜてしまった」

「ううん、間違いなく昔のカレシ。
室内の景色も、当時住んでたアパートで間違いない。
それに――」

彼女は私の手から束を取り上げると、何枚かの写真を抜き出した。 

「これ。私が今住んでる家の、近所の商店街の写真。
昔からある、古い商店街ではあるんだけど……。

ここ見て、この人が手に持ってるモノ、」

印字された日付は、確かに1991年。
写真の中の通行人が手にしていたもの、それは。

「――スマホ?」

今なら写っていたって、何の問題もないもの。
しかしそれが、スマホの存在しない昔の写真に写り込んでいる。
異常だ。
印字された日付が加工なければ、だが。

「もちろん、加工なんてしてないよ。
同窓会の余興に、わざわざそんな手の込んだことする必要もないし。

でもね、ただ『時代が合わないものが写ってる写真』なら、『不思議だね』で、別によかったの。
でも、これ――」

かすかに震えた手で、一枚の写真を差し出す彼女。
それは、明らかに「今の時代の仕様の乗用車」の車内から写されたもの。
フロントガラスは割れ、エアバッグが飛び出し、血液らしきものが飛び散っている。

車両事故。
しかし、日付はやはり、夏祭りの夜。

「ねぇ、これも、昔の光景じゃないよね……?
でも私、この光景に見覚えはないの。
これって、これから起きることなの?
ねぇ。あなた、なにかわからない……?」

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コメント(3)
  • 続きだ!!

    2024/02/03/20:26
  • 綿貫です。
    それでは、こんな噺を。

    2024/02/03/22:14
  • う~む、分かりやすいのに良くわからない話であり、怖そうなのに怖いのかわからない。
    でも意味不明な話でもない。
    まさに不思議怖い話だ。

    2024/02/04/10:10

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