あきひこさん
投稿者:ねこじろう (147)
また、あの甲高い声が聞こえる。
見ると、右手の少し離れた四人掛けテーブルのソファーにあのオバサンが座っていた。
傍らにペットケージを置いて。
ケージの入口を開き、一口大に切ったハンバーグをフォークでペットに食べさせているようだ。
─スゲー、ペットの昼飯が俺と同じなのかよ!?
いったい何飼ってるんだ?
トイプードル?ミニチュアダックスフント?
それとも、、、
驚きながらチラチラ見てると、
「そうあきひこさん、あなたもお外に出たいのね。
わかったわ、じゃあ、お膝の上においで」
と言うとケージの入口に両手を突っ込んで、中からペットを出すと膝の上に乗せた。
─え!?
俺は一回目を擦り再び見る。
大きさは30センチくらいだろうか?
オバサンの膝の上に二本足で立ち、テーブルに両手を乗せてガツガツと皿に乗ったハンバーグを犬喰いしている。
あれは犬?
いやいや、どこかおかしい。
そこでバレないように凝視してみる。
そしてゾクリとした。
首から下は、
犬のように茶色くて毛むくじゃらの風体で短いしっぽがあり、二本足で直立している。
だが顔は、、、
人間?
いや違う。
確かにその横顔は若い男性そのもので色白のきめ細かな肌に端正な顔立ちをしているのだが、
ただその頭部には皮膚がなく中が剥き出しになっていて様々な形状の基盤やコードがぎっしり詰まり複雑に絡み合っているのが覗いて見えるのだ。
─何だあれは?
俺が唖然としている間に「あきひこさん」はハンバーグを全て平らげてしまったようで、満足げに爪楊枝で歯をほじっている。
「あきひこさん、お腹いっぱいになった?
じゃあ、お家に戻ろうか」
オバサンはそう言って「あきひこさん」を両脇から抱いて、ケージに戻した。
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おばさん何者?
確かに‼️