邪視(?)

我に返り、くさび打ちを地面に落とした。
親父の手に目を覆われ、壺から引き離された。

小便があまりにも長く、心配して探しに来たようだった。

「死にたい」そう思っていた感情は跡形もなく消え去っていた。

親父が見ないよう、急いで壺を木箱に戻し、崖下にぶん投げた。

恐ろしい後日談は特にないし、あれが何なのか？未だわからない。
親父も知らないようだし、現場付近のお寺や神社に行ってみたが、
鼻で笑われるだけで何の収穫も無かった。

先日怖い話サイトで「邪視」という話を読んだ。
邪視を持った人と目を合わすと、「死にたい」という感情に捕われ、
結果自害するなりしてしまうらしい。
裏社会の暗殺も請け負ってたとか、そんな話だったかな。

邪視は尿・便・性器・性行為などなど、不浄なものを嫌うらしい。
直前に小便垂れてたから、自害までせずに済んだのかな。

視力が格段に悪くなったが、それはゲームのやりすぎが原因だと思う。

林業は絶対やらないと心に決めた。

山に行く人、怪しい壺を見つけても、中を覗くのはやめとけよ。