お盆と親友
投稿者:ひなた (2)
短編
2023/12/13
10:52
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「お盆に一人で海にいってはいけないよ。海につれていかれちゃうからね」
僕が覚えているおばあちゃんはいっつも険しい顔をして窓から海をずっと眺めていた。
そんな約束を僕と親友は破って海にいったことがある。
昼間に見るのとは全然ちがった夜の海に僕と親友ははしゃぎ、夢中で遊びまわった。
昼間より冷たい水、絵の具を垂らしたように見えるほど黒い水。どれもが新鮮なものだ。
「怖いどころか、昼間よりきれいじゃないか。」
僕がそういうと親友はうなずいた。
僕の言葉に親友は頷き、月が反射する波打ち際を二人で走る
ある程度走ったところで、ふっ、と足が止まったんだ。
「でも、なんだか…」
海に目をやると、先ほどより月が一回りくらい大きく見えた。
「ねぇ、なんかおかしくない?」
その言葉を言い終わる前に、激しい頭痛が僕を襲った。
まるで頭の中で鈴の音がこだまするように騒音が鳴りやまない
「ぐっ……」と声が漏れ、その場でしゃがむ。
前を走っていた親友が異変に気付いたのか心配そうにこちらへ向かってくるが、
なんとなく、ここにこれ以上いてはいけないような気がした。
震えが止まらない
「帰ろう。」
頭の上から聞こえた雑音交じりの親友の声に僕はうなずき手を取る。
親友は夜風で冷えたのか、少しひんやりする手で僕を導いてくれた。
「帰ろう。早く家に帰ろう。お父さんもお母さんも待っているよ」
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お盆には、海に行ってはいけないと良く私も言われ、現在でも行かないが、観光客はそれを知らずか、必ず何人かは亡くなります。