深夜の黒く長い電車
投稿者:太山みせる (35)
私はビックリして飛び上がった!
誰が呼んだの?
振り返った私が見たのは、ピンク色のお洒落なスーツを着た広兼さんだった
「あ…、広兼さんどうしたの?こんな時間に」
相変わらず彼女は美人だ
「忘年会で飲み過ぎたのよ!太山さんも飲み過ぎて遅くなったのね」
いつも通りの優しい笑顔だったが、このシチュエーションで何故、平然としてるのこの人は?
彼女はチラリと電車を見て、
「それにしても久し振りね、電車来てるね、乗ろうよ」
と普通に言った
「何言ってるの?こんな変なのに乗っちゃダメでしょ!」
私は叫んだ
「え、何で?寒いし早く乗ろうよ、色々と話したい事もあるし」
私の手を取り、連れて行こうとした
「ダメー!!」
私は振り切ろうとしたが、強い力で掴まれた!
そしてそのまま、電車へと引き摺られて行く
「やめて!」
いくら叫んでも、離してはくれない
このままでは、あのお化け電車に乗ってしまう!そしてきっと死んでしまうんだ!
そんなのは嫌だった
とにかく早く、広兼さんを説得しなければ!
「もう一軒、飲んで行こうよ」
慌てた私には、このくらいの言葉しか出なかった
だが、
「まだ飲むの?」
その呆れた瞬間に、逆に彼女の手を取り、ホームを電車とは逆の方向に走った
「走りながら話そう!電車より走りながらのほうが楽しいから!」
めちゃくちゃな事を言っている自覚はある
だけど私はこんな電車に乗りたくないし、広兼さんにも乗って欲しくない!
怖い((( ;゚Д゚)))
これまた最高におもろ怖かったです!そして感動的ですらある。すごくいい雰囲気。
真っ暗な駅に真っ黒な電車・・・まるで悪夢をみているような・・・。
これは・・・きさらぎ駅へ向かう列車だったのかも。
やばいな、最近太山さんのファンになっちゃったかも。
きさらぎ駅に行ったのかと思いましたよ。
久しぶりに怖わいながらもドキドキして読みました。
思わず電車乗っちゃ駄目!って心のなかで叫んじゃいました。