服を脱いでみると、手形がくっきり右肩についていて、血が滲んでいた。
思っていたよりひどかったから見た瞬間もっと痛くなった。
その間も叩かれ続けていて叩かれるごとに痛みが増す。
滲む血も多くなっていく。
夜通しAさんが必死で祓ってくれ、また1か月は大丈夫だろう。とのこと。
そこから数か月、月1以上Aさんの元へ通い、徐々に痛みも回復してきたころ。
Aさんが亡くなった。
持病を患っていたようで、まだ40代だったのに、若くして亡くなってしまった。
急逝に対する悲しみももちろんの事だったが、
俺に憑いている霊の力を弱めること、お守りの効力を強めることができなくなってしまった。
近隣の神社やお寺、胡散臭い霊媒師なんかを訪ねてみたが、
出会い頭に門前払いされたり、急に体調を崩されたり、頼りにならなかった。
もう、こいつと生きていくしかないんだなと、決意をするほかなかった。
日増しに強くなる、頻度も上がる肩叩きに耐えながら、3か月が経った。
実家のすぐそばに古墳がある。
特に有名でもなんでもないところなんだが、そこに近づくにつれて痛みが増す。
それに気づいた俺は、会社を挟んで実家から1時間ほどの場所に引っ越した。
それでも日増しに強くなっていき、1日に1回、半日に1回、1時間に1回。
日を重ねるごとに回数も増えていった。
5分に一回くらいのペースになってきたころ、俺は、ある作戦を考えた。
シンプルだが、ネットで拾ったお経の音源を流すこと。
見よう見まねで音源とともに経を読むと、スーッと肩の重みがなくなっていく。
数時間するとまた再開されるんだが、これがなかなかの作戦だな、と思っていた。
その日以降、深夜にそれが集中するようになった。
お経を読みながら寝ることもできないし、音源を流し続けるしか策はない。
仕事中やトイレ中にされないだけましだが、夜眠れなくなり、ある時限界を迎えた。
睡眠不足と過労により、会社でぶっ倒れちまった。
目覚めたときにはもう2日経っていて、起きるとなんと肩には何の異常もなかった。
もしや、俺が起きてるときにしか悪さはしないのだろうか?
ならばお経を読み続けて、夜は死んだように速攻で眠ってしまおう。
安眠を求めるにはいい作戦だ。

























悪いものに憑かれやすくて実際に霊障にも遭ってるような状況なのに若くして出世とか
運とか関係なしにガチで仕事できるんだろうな
もしくは寺から遠ざけるためにわざと仕事はうまくいくように霊が仕事運にブーストかけてるとか?
かなり過去のコメに対してレスするのも何ですが。
今回の例で言えば霊媒体質↓と引き換えに仕事運↑みたいに足し引きされてるとか何とか…聞いたことあります。
最近流行りの呪術廻戦の天与呪縛という設定がまさにそんな感じでしたが
この人にもそういう側面がありそうな気がしますね。
両肩が亡くなったら次は頭かな?