モンスター
投稿者:simeji (5)
このぐらいの歳になると、周りが携帯を持ち始める時期だった(当然まだガラケー)
しかし、母は私が携帯を持つことを許さなかった
「勉強には必要ないの、医者になってお金持ちになればなんでも買えるようになるのよ
だからそれまで我慢しなさい」
と言っていた
実際私の家は貧乏だったし、そんな余裕はなかったのだろう
周りが携帯で遊んでいる頃も私は勉強をした
おかげで、学年で1位の成績をとったこともあった
母は自分のことのように喜んでくれて、私も本当に嬉しかった
そして、中学3年生、進路選択の時期だった
私は医者になるため、頭の良い学校を選んだ
もちろん、お金がかかりにくい公立高校だ
頭がいいと言っても地方の中で頭がいい程度だが
その頃の自分よりは少しレベルの高い高校だった
なので受験1ヶ月前ごろには、学校を休んでまで勉強することもあった
(とにかくこの高校に入らなければ)
私立はお金がかかってしまうし、他の公立はレベルが低い
母親は仕事→ホストという流れで行動しているため、帰ってくるのは遅い
帰ってきても、ろくに話したりせず寝てしまうことも多かった
そして、受験の日となった
母は私を抱きしめて、激励の言葉をくれた
「ここまでお疲れ様、でも今日が本番だからね。しっかり頑張っておいで」
しかし私の受験は失敗に終わった
この日から私は母の笑顔を見なくなった
正確には顔を合わせることすらほとんどなくなった
母は私が朝起きる頃もまだ寝ていて、私が学校に行ってから出勤をし、
私が寝てから帰ってくるような生活だった
なんなら帰ってこない日もあった
高校生になったので私はバイトをしようと思った
周りの子はほとんど携帯を持っているため、そろそろ欲しくなったのだ
※こちらは実際にあった事件を参考にしているフィクションです
こちらのサイトで初めて話を投稿してから1年が経ちました
まだまだ未熟者ですがこれからもたまにお話を投稿するので良かったら見ていってください
次回のお話しも楽しみにしていますね!
読みやすい。
呼び方が母→あの人→あいつってなるの心が変わってく感じがして良い
(゜Д゜)。
母と娘の関係性に複雑な思いが簡潔に書かれていて、もう少し読みたいと思いました。
どんな怖い話より、現実の方が怖いよね。
元ネタの事件は確かに胸糞
怖いけど、悲しいお話
やっぱ妖怪より自分の子供を支配する親とか、なんなら人間自体が我が欲求を叶えようとする妖怪だという事がはっきりわかんだね