「佐藤さん」の手料理
投稿者:青年将校 (7)
短編
2023/09/04
20:49
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ちなみにピンク色のタッパーには、なぜか白米が敷き詰められており、その上に緑色のドロドロがかかっていましたが、それも食べる勇気が出ませんでした。
次の日、母親にタッパーを返しに行くよう頼まれた僕は「佐藤さん」の部屋を訪ねます。
一番端の部屋、「佐藤」の表札を確認し、インターホンを押しました。
すると「はーい」という声とともに、小綺麗な格好をした佐藤さんが昨日と同じくニコニコしながら出てきました。
お礼とともに紙袋に入ったタッパーを返します。
しかし、どうしても昨日の出来事に触れたくなった僕は
…あの…と思わず切り出します。
「…昨日頂いた揚げ物に…変な、毛?…みたいなのが入ってまして…」
すると「佐藤さん」の笑顔が嘘のように消え、真っ赤に変わり
「…どうせいつも捨ててるだろっっ!!!」
と叫んだ後そのままバタンとドアを閉めてしまいました。
呆気にとられてた私はしばらくその場から動けませんでした。
3日ほど後、自宅に帰るため下行きのエレベーターを待っているとなんと「佐藤さん」と出くわしました。
目を伏せ、何も言えずにいると
「こんにちは!もう帰られるの?」
と何事も無かったようにニコニコと挨拶をしてきます。
…ハイ…
なんとか返事だけすると、私は忘れ物に気づいたフリをして一旦実家の部屋に引き返しました。
今のところ年末の帰省は無理そうです。
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こっわ!!!
いろんな意味でこわです。
二重人格?不気味です。
じみにこわいですけど…..
こわっ
髪の毛メンチカツ、不味そう