嫌な置き土産
投稿者:青年将校 (7)
短編
2023/09/02
16:53
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祖父は郷土菓子の職人で昔からとても寡黙な人です。
私の記憶では祖父が冗談を言った事など無く、いつも庭で煙草を吸っていました。
そしてその最後は悲惨なものでした。
祖父と祖母はいわゆる熟年離婚をしています。
細々と年金暮らしをしていましたが、肺を患ってからは生活保護の一人暮らしでした。
遺品整理で行った住まいはカビだらけの古い1Kの団地でした。
祖父は独りで死に向かっていったのです。
そして毎年、誕生日には3億円事件のニュースが流れていたはずです。
事件は未解決事件としてエンタメ化し、人々に記憶されるものとなりました。
毎年流れるモンタージュ写真。
暗い部屋、テレビの前で1人誕生日を迎える祖父。
何も無い人生に何か残したい。
最近20代も後半を迎えた僕には何となく祖父の気持ちが想像できるのです。
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kamaです。ヒトコワって言うより、イイ話だなぁ~と思って読みました。
悲しいです(T . T)
肺癌が脳に転移したことによる妄想やないかい(/_・、)。
さも、マジに黒歴史みたくかたったらあかんでΨ(`◇´)Ψ