胸糞悪い話ですみません
投稿者:竹倉 (9)
短編
2023/08/25
21:29
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我が家には二匹の猫がいる。
長男猫は「むぎ」
次男坊は「こめ」という。
どちらも保護猫で、むぎが5歳の時にこめを迎えた。
2匹はとても仲が良く、特にこめが長男好きでいつも一緒に活動をするほど。
それはそれは微笑ましく、この2匹との暮らしは本当に癒やされるものだった。
むぎが10歳になった頃、妻は乗り気ではなかったが、私の一存で家族をもう「一匹」増やそうという事になった。
次は女のコがいいな。
かくしてやってきたのは、とても元気な子猫(男の子)であった。
「そば」と名付けた。
こめは兄さん子だからね、やきもちを焼かないようにしっかりとフォローしていかなければ……
しかし猫は本当に可愛らしい生き物だ!これからも凄く幸せな日が続くのだろう。
そう思った。
仕事から帰宅した時に玄関まで聞こえてきたのは、猫同士の威嚇の声であった。
むぎとこめがリビングで喧嘩をしている。
これまで、じゃれ合ってやんわりとした喧嘩をすることはあった。
その都度勝負に勝っていたのは、毎回むぎなのであったのだが。
今回の喧嘩はそれの比ではない。
生易しいものではなく、野生を露わにした狩猟本能。
あわよくば相手を狩り取ってしまおうと思しき執念さえ感じられるその怨嗟の表情。
現にむぎの鼻面と首筋には痛々しい裂傷があり血が確認できるではないか。
冷静に見てみれば鬼神の如くむぎアを追い詰めるこめ。
そして怯えて部屋の隅に縮こまるむぎ。
そして、我関せず焉を決め込む新入りのそば。
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