追いかけてくる※※
投稿者:haruton (25)
長編
2023/07/06
01:36
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だが、これで終わらなかったんだよね。
何がって?
ふぉふぉふぉ。まあ聞いてくれよ。
更に年月が流れTは大学生になった。
時が経つのは早いね。
Tは進学を期に独り暮らしを始めたんだ。ある日、Tは友人Bと一緒に大学のレポートを書いていた。そして聞こえたんだよ。
ブーン。ブーン、って。
Tはもしかして虫でも入ったのかと思い、辺りをあちこち見た。
でもね、虫一匹飛んでいなかったんだよね。
TはBに尋ねた。
「今、虫の音が聞こえなかったか」
とね。Bは
「いや、聞こえなかったけど」
と首をかしげた。Tは気のせいだと思ってレポートの続きを書いた。しかし何分かするとまた聞こえたんだ。
ブーン。ブゥゥン。
TはBに言った。
「やっぱり虫の音がするぞ。どこにいるんだ。まったく」
だけどBはこう言ったんだよ。
「虫の音なんて俺には聞こえなかった」
流石にTはゾッとした。
だってそうだろう?
自分だけが羽音が聞こえたんだからさ。そして思い出した。
子どもの時に体験をしたーー黒い蜂に追いかけられた出来事をね。
余が思うには、その蜂って霊体だったんじゃないのかなぁ。
更に分析をすると、あの竹林でTが剥がした御札と関係がある気がするんだよ。
実はあれって……なにかを封印していた本物の御札だったかもせれないね。
偶々、虫除けの札と何かを封じていた御札のデザインが似ていたんじゃないかな。そして御札を剥がしてしまったTに取り憑いたのかもしれない。
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