夜の病院
投稿者:初めての書き出し小説風 (10)
短編
2023/07/01
18:07
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「ごめんなぁ〜い、、トイレに行ってただけなの〜」
泣きながら伝える。
「あっそうなのね。こんな時間に行くなんてだめでしょ〜」
「いつも消灯する前にトイレは済ませなさいって言ってるのに」
「ごめんなさ〜い。だってけんたが〜」
その場からいなくなったけんたの名前を出しながらも車椅子に乗せてもらった。
「もう泣かないの。さぁ部屋に戻るよ」
と看護師さんに車椅子を押してもらった。
きゅる、きゅる
すた、すた
部屋に着くと布団で寝たフリをしているけんたがいた。
「…」
と思いながらも看護師さんに布団に運んでもらった。
「もうこんな時間なんだから早く寝るんだよ。約束ね」
そう言う看護師さんは車椅子を端に寄せ、部屋を出る。
すたすた、すたすた
ふぅ、疲れた。
けんたはひどいやつだと思いながらも静かに寝ることにした。
…
冷静になった布団でふと思った。
あの看護師さん、靴は白いナースシューズを履いていた。
「…」
部屋に送ってもらった時も足音は
すた、すた
部屋を出る時も
すたすた、すたすた
でも、僕らが聞いた音は
…コツ…コツ
…あの足音って。。。
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