消えた右足
投稿者:初めての書き出し小説風 (10)
短編
2023/06/28
18:54
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「…な、なんで。。」
手に取った靴下をみると数珠を繋いでいる線だけがある。
…
まるまった靴下になにか塊がある。
「…」
見ると、数珠につながっていた透明の板の観音様が掘られているものが
真っ二つに割れている。
「……なんで。。。」
確かに靴下を投げた。
投げたが、投げ捨てた感じではなく着ている洋服を脱いでおくような感じで投げただけ。
それなのになんで、観音様の部分が真っ二つになるように割れるの。
「…た、たまたま床に落ちた時の角度が悪かっただけかな」
そう思わないが言い聞かせるように口に出す。
「きっとそうだ」
大丈夫。大丈夫。
…
それからと言うもの右足に大きな怪我などは起こっていない。
もしかして割れた観音様が身代わりになってくれたのかもしれないが、なんとも言えない。
だけど。
あの時数珠を足につけていなければ、僕はどうなっていたのだろう。
と、今も少しゾッとする。
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