某テレビ番組のお蔵入りネタ
投稿者:とくのしん (65)
「すみませーん、お忙しいところ申し訳ありませんが、少しだけお話聞かせていただけませんかー?」
返事はない。
「ごめんください、お邪魔しますよー」
何度呼びかけても返事一つしない相手に対し、上田は痺れを切らし玄関に手をかけた。
ガラガラという昔ながらの引き戸が放つ音を耳にしながら玄関の中を覗き込んだ。
「うわ・・・なんだよこれ・・・」
玄関の先には広い土間が広がり、奥には居間と思われる広い部屋。古い農家という感じの造りだが、土間から居間にかけて壁や廊下、天井とびっしりと赤いお札が所狭しと貼られている。もちろんその奥の居間にもお札は貼り巡らされていた。その異様な光景に二人は息を飲む。
「上田さん、ここ何か変ですよ。もう帰りましょうよ」
カメラを回していた山辺はその不気味さに引き返すよう促した。
上田は静かに玄関を閉めた。山辺の言う通りここは何かおかしい・・・あの男といい、玄関先の異様さといい、下の住民が言っていたようにここには来てはいけなかったのか。だとすれば一刻も早くここから立ち去るのが無難、そう思った刹那・・・
ブヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ
背後から豚のような獣の声が響いた。
それも一匹や二匹じゃない、けたたましい無数の豚のような鳴き声が聞こえだした。
「え?何?急に?イノシシ?」
「なんなんだよいきなり!」
振り返った二人の目に声の主は映らない。声のする方向に目をやると、どうやら朽ちた畜舎から聞こえるようだ。
上田と山辺は急ぎ車を目指して走り出した。その間も畜舎からは絶え間なく獣の鳴き声が響く。やばいやばいやばいやばい・・・ここは何かおかしい!!!上田と山辺は必至に車へと走った。
「うあっ!あ、あれ!」
畜舎の前で上田が立ち止まって大きな声を上げた。
「うあああああああああ!」
その光景を目にした山辺は悲鳴を上げた。
畜舎の中に無数の朽ちた首つり死体が揺れていた。男か女かも区別がつかないほど黒く朽ちたそれは、目を覆いたくなるほどあまりに悍ましい光景。それらの足元には黒い何か豚のような獣が群がっていた。
ぎぃ・・・・ぎぃ・・・
獣の集団が遺体に貪りついている。遺体が揺れるたびに、縄が軋む音が二人にははっきりと聞こえた。
「おえええええええ・・・」
「山辺さん!しっかりしろ!山辺さん!」
嗚咽しながらその場に呆然とへたり込む山辺。恐怖のあまり失禁したのか、ズボンの股間回りが濡れていた。腰が抜けて動けない山辺のジャンパーの襟首を必死に掴んで引きずりながら車へと戻る。その間も絶え間なく獣の鳴き声があたりを包んでいる。山辺を押し込むように車に乗せ、上田もすぐに乗り込んだ。
「上田さん!あれなんなんですか?あれなんですか!?」
「わからない!わかるわけねぇだろ!あんなもん!」
車に乗り込んだことで正気を取り戻したのか山辺が上田に食ってかかる。二人は喧嘩するように怒鳴りあっていたが、恐らく本能的にそうしていたのだろうと後に二人は語った。そうでもしないとスピーカーから流れるノイズ音と、ナビの意味不明な音声案内で発狂しそうだったと。お互いがまともであることを確認するためにも大声で怒鳴り続けたそうだ。
あ、月初か
今月も精が出ますね、おつかれさまです
よく見ている番組です。
面白半分で心霊スポットに行くYouTuberと違い、意図しない心霊スポットへの訪問が一番怖いですね
地元の方が言い淀む家は今後ご注意なさった方が良いですね。
連れて帰ってくると厄介なので、お清めの塩なども持参した方が良いかもしれません。
ポ○ンと一軒家?…地元民の反対を強行取材したら怖い目に。唯一の住民らしき男は何者?何やら不気味なイノシシが、事件の真相を握っているかの様…単なる見間違えであって欲しい。いや、怖い!
いや警察電話しろよ・・
つまり、村の人っていうのがそもそもいない…ってこと?
「あそこには行かないほうがいい」と言った人も・・・?
とくのしんです。
2ヶ月続けて大賞受賞することができました。怖いに投票してくれた方々、本当にいつもありがとうございます。目標としている100以上の怖いを獲得できて嬉しい限りです。
今月は2作品、会社のPCに保存してあるので、月曜日以降に投稿する予定です。
怖い話が似合う時期になってきましたので、ぜひとも楽しんで頂ければ幸いです。
多分フィクションだろうがおもしろい
このような話またよろしくおねがいします
面白かった
最後のオチもいい
筆者を自分にしないとその時の会話とか知ってるのおかしいよねってなっちゃうな
受賞を目指して投稿された創作と考えたら面白みが半減しました…
残念です。
ご想像におまかせしますじゃなくて
ちゃんと作ってほしい
持ち主がいるかもしない家の敷地内に勝手に入って撮影しまくるテレビクルーの方がムカつくな。そんなんいたらチビるくらい脅かしてやりたくもなるわ。