サタニック・メッセージ
投稿者:瑠璃ガキ (4)
目の前には見慣れた人たち。
教員や同期、みんな仲良く同じ顔をし、同じ姿をしている。
ただし、それは見慣れない顔で、見慣れない姿である。
顔はみんな同じように、心臓発作による耐え難い痛みに悶え苦しみながら、死の恐怖に怯えひしゃげてしまっている。
姿はみんな同じように、胸に手を当て、衣服を捻り上げ倒れ込んでいる。
そう、みんな死んでいるのだ。
「ボクのせいで。」
僕のせいだ。
いくら涙を流しても、恐怖で糞尿を垂れ流しても、罪悪感の重圧に押し潰されそうになっても、誰一人として起き上がってはくれない。
僕はどうなる?
極悪非道な大量殺人犯として連日ニュースや新聞に名を轟かせるのだろうか。
はたまた、悪魔の力を使った代償に法的な裁きよりも苦痛で耐え難い罰を受けるのだろうか。
P.N 瑠璃ちゃん先生
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無邪気な笑顔で「ちちみてー!」と自分で描いた絵本を渡してきた娘。
微笑ましい気持ちで読んでみたら後悔した。
この春、6歳になったばかりの女の子が一体どうやったらこんな悪趣味な物語を描けるのだろうか。
お行儀もお手伝いもお勉強も良い意味で年齢不相応で、妙に落ち着いているというか大人びている感じの子だったから、大丈夫だろうと思い娘専用のスマホを与え、パソコンの使用を許可したのはちょっと不味かったのかもしれない。
それにペンネームの「瑠璃ちゃん先生」って何だよw
自分で自分の名前に「ちゃん」を付けるなw「先生」を付けるなw
付けるにしてもせめてどっちかにしろよw
正直、無理に笑おうとしている。
救いの無い陰惨な物語とちょっとおバカで可愛らしいペンネームの歪なギャップに、笑えないくらい不気味な何かと得体の知れない恐怖を感じる。
また、年齢不相応の文章力に対して、画力は年齢相応であるというアンビバレントな不安定さは、この絵本が放つ異様な雰囲気をさらに際立たせていた。
以来、娘は絵本を描いては俺に見せてくるようになった。
俺にとってこの世で一番可愛いはずの存在が、同時に俺にとってこの世で一番怖い存在にならないことを願いたい。
娘の瑠璃については、話さないといけないことが多すぎるのだが、それはまた追々。
タイトルカッコイイね。
将来有望な娘さんですね