お局様の末路
投稿者:ぴ (414)
お局様とあまり折り合いがよくない課長すら心配するくらい体調が悪そうでした。
私はというと、顔色より何よりも真っ先にお局様の後ろの影を確認しました。
そしてぞっとしました。
なぜならあの影が1つではなく、2つに増えていたからです。
お局様の後ろには2つの影がまとわりついていたのです。
いよいよヤバいと思った私は、お局様が一人の時を狙って、念のため教わったお祓いで有名な神社の名前と住所を書いた紙を手渡しました。
友達が憑かれやすい体質で、その度にお世話になっている神社を紹介してあげたのです。
さすがに何も言わないのでは悪いと良心が痛んで行った行動でした。
しかし、お局様にはなにも響かなかったようでした。
その紙を見たお局様はなぜか鬼のように顔を真っ赤にして怒り出しました。
普段から急にカッとなって当たり散らしてくることはあったけど、このときはいつも以上の怒り狂いようでした。
そして急に「ちょっと来なさい」と思いっきり手首を引っ張られました。
そして使われていない会議室に連れ込まれたのです。
そこだと戸を閉めると音漏れしないので、都合が良かったのでしょう。
そこで私は胸倉を掴み上げられて、「あんた、私を馬鹿にしているの?」と怒鳴り散らされてしまいました。
いつものように、一気に捲し立てるように責められ、私は口元をひくひくさせたのです。
やばそうな後ろの影を見て、良かれと思って神社を紹介したのに、このように怒鳴り散らされるだなんて、理不尽だと思いました。
自分の少々の良心がこうさせたのですが、余計なことをしなければ良かったと後悔しました。
その人の発言のヤバさ以上に後ろの影にびくびくしました。
お局様が怒るのに呼応するように後ろの二つの影が大きく膨らむからです。
お局様は私に怒鳴り散らしたことで、すっきりしたのかその後少しましな顔色になりました。
逆に私の顔はお局様の八つ当たりの被害に遭い、さらに後ろの影の恐怖心とで、真っ青でした。
課長の勧めもあり、お局様は昼すぎに早退していきました。
病院に行ってくるとの話でした。
私が仕事を終えて、家に帰る途中だったでしょうか。
急にスマホが鳴り出して、疲れ切っていた私は相手もろくに確認せずに電話に出たのです。
出たら相手はお局様で、私の連絡先を知っていたことにびっくりしました。
また何か難癖付けられるのかと私はびくびくしていました。
でもその日、お局様が聞いてきたのは意外なことで、神社への道を詳しく教えてほしいとのことだったのです。
どうやら朝に私が教えた神社にこれから行こうとしているみたいでした。
無言で神社の連絡先を渡されたら、普通は困惑するよ。
せめて一言添えるか、お祓いを受けたいならと書き添えないと。
まあ、自業自得だろうね。
誰かが呪いをかけたんだろう
周りに当たり散らして方々から恨みを買うような事をしていると、やっぱりロクなことにはならないですね…