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心霊

no54ヌューダさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

【目的地】
長編 2023/03/09 11:56 8,244view
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すると、私が駆け寄るまでもなく、キャアキャア言いながらサキとなーちゃんがもつれるようにして車から降りてきた。なーちゃんはワンワン泣きながら、私に飛びついてきた。サキも顔面蒼白で、見るからにガタガタと震えていた。

「りかちゃん!りかちゃん!ヤバいよ!車、なんか変な手形が付いてる!」
「マジでヤバいの、なんか血みたいな色で、ちょっともう見れない。ほんとに悪いんだけど、水とぞうきんかなにか借りていい?あれつけたまま帰るのは絶対イヤ」

わたしは泣きじゃくるなーちゃんをなだめ、おそるおそるフロントガラスのほうへ回っていった。

 そこには、他と比べてハッキリ手形が付いていた。
血、と表現するには少し大げさだが……薄い赤茶っぽい色の手形だった。濁った泥水に手を付けて、それをバン!と押し付けたような。
誰かのいたずら?

私の家はかなり奥まった場所にある。近所の人でもない限り、そこに家があるなんて誰も知らないんじゃないかとすら思う。
そんなところまでわざわざきて、こんないたずらを?

むしろその方がずっと恐ろしい気もしたが……とにかく、このまま放っておくのは相当に気味が悪いので、庭の水まき用ホースとぞうきんを使い、3人で車をきれいにした。
その途中に何か怪奇現象が起きる、なんてことはなかった。

だが、この話には本当に小さな後日談がある。
わたしがこの話を、電話越しに別な友達に話していた時のことだ。
「……そうそう、めっちゃ怖かったんだよ。ほんと、シャレにならないと思ったね。……ん?ゴロ、どうしたの」

飼っている猫が、じいっとカーテンの方を見ている。
「なあに、どうしたの。……なんかね、猫が外を見たがってる。うん、そうそう。アハハ」

何の気なしに立ち上がって、シャーっとカーテンを開ける。

すぐに視界に入った。
ちょうど目線の高さ。
窓に手形が付いている。

今ついたのかどうかなんて分からない。とにかく私はすぐにカーテンを閉めて、知らないフリをするしかなかった。外にいるかもしれない何かに。

さて、この話を打ち込んでいるパソコンの向こう、すぐ目の前にカーテンの閉まった窓がある。数年前のことで、今更怖くはない。怖くはないが、……。

 開けてみよう。

5/5
コメント(3)
  • こういうのが一番ありそうだから怖い
    一人だったらパニックになって事故る。
    そしたらs吐噶喇男の人が入ってきて…想像しただけで恐怖

    2023/03/09/18:57
  • 誤字った外から男の人が

    2023/03/09/18:58
  • 心配でしたらお祓いされたら気持ちが落ち着くと思います。

    2023/03/09/19:32

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