裏切りの代償
投稿者:ぴ (414)
私が初めて家に呼んだときも、なぜか落ち着かない様子でした。
一泊したのに全く手を出されることもなく、朝早くに彼は帰っていきました。
それっきり私の電話やLINEも全部無視するし、一つも連絡がこなくなって、自然消滅という形で、お別れすることになりました。
立て続けに起こる不運とおかしなことの連続に、私は悩まされていました。
落ち込んでいたら友達がそれを聞いて、家に泊まってくれたのです。
ここ最近の話を全部して、すごくすっきりしました。
肩の荷が下りたような気持ちになりました。
友達もうんうんと私の話をたくさん聞いてくれたのです。
だけど、私が話をし終えたら、いつからか友達の顔色が悪くなっていることに気が付きました。
来たときはテンションが高くて元気いっぱいだったのに、急にいくつか老けたと思えるくらいに、げっそりして顔色が悪くなっていました。
そして私が話し終えると、友達はぶるぶる震える腕で私の腕を引いて、家から出ました。
そして友達について家から出て困惑しながら階段を降りると、友達は私の手を引っ張って走りだしたのです。
訳が分からないまま友達についていったら、バス停まで来て「ねぇ、ずっと誰かが見てたんだけど・・・」とぜーぜー言いながら友達が言うのです。
私は話を聞いて凍り付きました。
私が最近起こる心霊現象が怖いとか亡くなった彼がいるみたいと話している間、ずっと私の部屋の押し入れの隙間から人が覗いていたそうです。
中で誰かが動いていたと言われ、一気に寒気に覆われました。
しかも友達は、「もしかしたら人じゃないかもしれない」なんていうのです。
友達はそれが最初はストーカーか何かかもしれないと思ったらしいです。
それで気づかれないように静かに私を連れ出そうと思っていたそうです。
だけど、その人は私が元カレがいるみたいで怖いと元カレを嫌がる発言を聞く度に敏感に反応して、憎々しげに私を睨みつけていといいます。
押し入れの中なのではっきりと顔までは分からなかったみたいだけど、私の死んだ元カレに仕草が似ているような気がしたと言われました。
それを聞いて、私は余計に怖くなりました。
それがストーカーなのか、元カレの霊なのかは分かりません。
ただ押し入れに人がいたと友達は言い切りました。
その日は怖かったけど、家を空けたままにするわけにもいかずに、父と弟に頼んで一緒に家を確認してもらいました。
家の中を誰もいないか隅々まで探し、怖かったけど友達の言っていた押し入れの中も探りました。
そのときにはもう家には誰もいなかったです。
でも代わりに不思議なものがありました。
それは見たこともない指輪だったのです。
もらった記憶もないその指輪がなぜ押し入れの中にあったのかは分かりません。
憑依、LINEメッセージ、幻覚、嗅覚、最近の霊はあらゆる手段で存在をアピールするのですね…って、その人だけかも知れませんが
怖かった。