父の最後の幽体離脱
投稿者:諒and鈴 (1)
短編
2023/03/03
08:48
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今はいない、他界した父の話です。
父は、末期の大腸ガンを患い、医者から余命も後、数か月と言われていた時期でした。父は家で静養をしていて、抗ガン剤を飲んでいたせいか、余り眠れず、ある時に、父が母に幽霊か死神を見たと言いました。
もしかして、死期の予感?と思いましたが、私は、最後まで父が助かると望みを捨てませんでした。でも、父は力を尽くしてこの世を去りました。
家族だけでお葬式を済ませようと、葬儀場に母と弟と私で本当に身内で一夜を過ごして、祭壇のろうそくの灯を消さないようにと、母と弟は寝てしまい、私は一日中、起きてました。
ろうそくの灯を見ていると、夜明け頃でしょうか。祭壇に置いてある父の棺から、白い物体が見えたのです…。そうです、父の多分、幽体だと思います。
肉体から魂が抜ける瞬間を私は見たのです。あれが、父との最後の別れだったのです。私は、信じられなくてその光景をただ、呆然として見ていました。そしたら、弟がろうそくの当番を変わるとやって来ました。
人の魂は、よく、夜明け頃に亡くなり、夜明け頃に生まれるとされてます。この幽体離脱の光景は、ダウンタウンの松本人志さんが映画監督された「大日本人」を観ると分かります。そうなのです、丁度、このような感じで忠実に描写されてます。
幽体離脱をあなたは、信じますか?
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