未知のチカラ
投稿者:ぴ (414)
ただやっぱりこういうのができるのは選ばれた人だけみたいです。
教わったとおりに、まったく同じやり方でやってみたけど、肩が重いのはぜんぜん取れませんでした。
占い師さんがやると一瞬清廉な空気が流れるような気がするのです。
そして肩が嘘みたいに軽くなります。
でも私がやるとうまくいきません。
占い師の人も言っていたけど、力がないとできないことなのです。
私はそれを身をもって知ってすごくがっかりしたけど、諦めがつきました。
もしかしたら肩の軽さを維持できるかもしれないと希望を持っていたので、かなりがっかりはしましたけどね。
代わりにお清め塩みたいなものをもらったのです。
正直占いの腕は確かとはいえなかったので、お清め塩にも少し疑いがありました。
だけど、これが結構効いたみたいで、占い師さんの肩のポンポンがなくても肩が少し楽になりました。
この塩にも何か未知のチカラが作用しているみたいでした。
そうして占い師さんと交流があったときは、ものすごく肩が楽に過ごせたのです。
今までにないくらいに肩が軽くって、信じられないと思いました。
こうして肩が重くなったときは、整体ではなくこの占い師さんの元に通って、肩のものを祓ってもらったり、お清め塩をもらったりして過ごすようになりました。
そうして交流が続いた間はすごく楽な日々を過ごせていたのですが、突然不幸が舞い込みました。
それはお清め塩をくれていた占い師さんが患っていた持病のせいで、亡くなったという訃報でした。
お葬式にも参列して、かなりショックでした。
あれだけお世話になったので、こんなに早くに逝ってしまうなんてと悲しくなりました。
涙が止まらなくて、数日は泣いて過ごしたと思います。
お清め塩が手元になくなり、私の肩は瞬く間に重くなりました。
ずっしりして、何なら占い師さんに会う前よりもさらに症状が酷くなったように感じました。
もう一生これは治らず、付き合っていく運命なのかと悲しい気持ちになりました。
そんなある日のこと、私が重い肩を手で押さえながら人混みを歩いていたら、ポンポンっと肩を叩かれたのです。
誰かに呼び止められたと思って、振り向きました。
そしたら不思議な清廉感が辺りを漂いました。
一瞬、あの占い師さんを思い出すような気配でした。
そのときに、私は確かに聞いたのです。
「それは私がもらっていくよ」と占い師さんの声が聞こえた気がしました。
慌てて周りを見たけど、私の肩を叩いた人を見つけることはできませんでした。
占い師では祈祷師だったんでしょうね。
良かったですね。