未知のチカラ
投稿者:ぴ (414)
基本的に楽観的でそこまで悩まない性格なのですが、肩がものすごく重たくて、それが唯一の悩みでした。
もともと私は肩が凝りやすい体質で、整体とかに通うこともありました。
だけど通ってもなかなか良くならないのです。
どこの整体に行っても今一つ効果を得ることができず、その日も肩を落として家に帰っている途中でした。
通りの一角に占い師みたいな人がいたのは目に入りました。
ただそんな占いをするような気分でもなくて、素通りするつもりだったのです。
呼び止められてそちらを見ると、あからさまに占い師ですみたいな恰好の人に「わあ、すっごい。肩が重くて仕方ないんじゃない?」と声をかけられたのです。
まさに今悩んでいるそれを言い当てられて驚きました。
「分かるんですか?」と思わず聞くと、「分かるわよ。だって見えるんだもの」と言われました。
何が見えているのか私には分かりませんでしたが、占い師はじっと私の肩を見ていました。
そして急に私の肩をポンっと軽く叩いたのです。
それをされた直後、私は驚きに目を見開きました。
だってあれだけ重くてたまらなかった肩が急に軽くなったからです。
占い師さんがそのとき何をしたのかははっきり教えてはくれませんでした。
しかし、おそらく未知のチカラで私の肩のものを振り落としたのだというような感覚はありました。
私はもっとそれをやってほしくて、お願いしたのです。
占い師さんがポンポンと肩を叩くとまた重かった肩が軽くなって、私は信じられないと思いました。
夢でもなんでもなく、実際にこんな超常現象みたいなことが起こるなんて信じられなかったです。
私はすぐに、やり方を教えてほしいと必死でお願いしました。
しばらくやり方の伝授をお願いしたけど、占い師さんは首を縦には振ってくれませんでした。
なんとかお願いを聞いてもらいたくて、占い料金を支払って本業の占いもしてもらいました。
しかし、占いのほうは嘘みたいに当たらなくて、ずっと「違います」と否定していたら、ムッとさせてしまいました。
商売の邪魔だからと追い払われそうになったけど、私はどうしてもあの肩の重みを取るやり方を教わりたかったのです。
あれだけ長く整体に通っても良くならなかった私の肩がすごく軽くなったのです。
やり方が知りたくないわけがありませんでした。
迷惑と分かりながらもそれから連日で占い師が店を出す場所で出待ちしました。
何度もそこに通っていたら、さすがに痺れを切らした占い師に「本当に邪魔だよ」と怒鳴られました。
何度怒鳴られてもどこ吹く風で、占い師について回っていたら、やっとあのやり方を教えてくれる気になったのです。
というか教えてくれないと立ち去りそうになかった私に痺れを切らしたのでしょう。
こうして私は一時的にその占い師の弟子になり、祈祷みたいなその肩のものを落とすやり方を習ったのでした。
占い師では祈祷師だったんでしょうね。
良かったですね。