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呪い・祟り

まろさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

邪神 石薙命
長編 2023/01/27 22:39 11,651view
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何か怪奇現象が起きて呪われたと思って寺や神社に頼ってお祓いしてもらうってのがありきたりの除霊方法だけど、友達(Aと呼ぶ)の地元にも神社みたいなのがあって何か霊的な変なことがあったら昔からAの集落の人たちはそこを頼っていたらしい。ぼくは怪談とかホラーが好きで友人とよく語り合ってるんだけど今回書くのは実際にその1人のAが体験した話。どんな体験をしたかはAが覚えている範囲で話してくれたから曖昧なこともあると思うけど勘弁してほしい。

その神社は、何を祀っているのかと言うと石薙命とかいう神様らしい。(漢字が正しいかは不明)

僕も石薙命について色々と調べてみたが全くヒットする気配もなく、Aもその地元の神様だって言っていた。その石薙命の話はAは幼い頃から聞いていたらしく、源平合戦で武功を積んだ平家勢力の武者が家臣の武者に裏切られて相当な憎しみ、怨みを持ちながら惨殺されたそうでその怒りを鎮めるために、神格化させ祀ってると言うのが石薙命らしい。

そこの集落は、曰く付きのところが多くて何らかのいざこざが起き並々の夫婦喧嘩勃発、程度ではない虐待が毎日のように続きついには状態を打開できずに一家心中した家があったり、昔不作だった時に親戚に夜逃げされ見捨てられて自殺した人の家なんかが廃墟化してまだ残ってるようなところがいっぱいあったそうだ。

そこらに当時のAや友達はヤンチャなものだから、みんなで肝試しに行くようなことが多かったそうだ。「ゆめゆめ近付くな」ときつく言われていたそうだが。

Aには霊感がある友達がいて(以後Bとする)
Bとかと一緒にバカやってて肝試しした場所を秘密基地にしてしまうほどだった。(B曰く、幽霊は見えるらしいが秘密基地の霊は特に害のない浮遊霊で、互いに干渉しない方がいいそうだ)

ある時またみんなで肝試しに行こうと言う話をしていて、一家心中した地縛霊のいる住宅を目的地にしようとしていた時、Bの反応がいつもと違っていたそうだ。

「あそこはマジでやめた方がいい。まず気配が今までのところと違う」

Aは当時幽霊なんてものは信じていなくて、肝試しに行くことこそが遊びだと思っていたらしく

「今まで幽霊なんてでたことなかったろ。すぐ行ってすぐ戻るだけだから!」

「おい!やめろって!本当にヤバいって!」

「大丈夫大丈夫、本当にヤバそうなら逃げればいいだけだろ?」

と、無理矢理嫌がるBを連れて行ってしまった。Bの他にCという人もいてCも乗り気になってその家にBを連行して行った。その家の近くに来るとBがより露骨に嫌がりだした。

「こんなところには居られん!俺は帰る」

と断固として帰ろうとするのでAは、

「俺とCで探索するからBは家の前で待っていいよ」

と仕方なく告げて壊れた窓から部屋の中に侵入して行った。一応Aは、玄関に戻り、ドアの鍵を開け

「何かあったらすぐ戻るから。」

と、Cと一緒にドアの埃が飛び交う中消えて行った。Aはこのことを今でも後悔している。今までとまるで違うBの様子からBに従い、いつも通り秘密基地で遊んでこの廃墟のことなど忘れるべきだったと。

AとCは二手になり適当に探索して回ったそうだが、ほどなくしてCの甲高い悲鳴が聞こえてきた。Aは急いで悲鳴があった方向に向かったが、途中でBと鉢合わせした。Bも悲鳴を聞いて急いで駆けつけていた。Aは当時ひどくパニックになっていて、落ち着いたBを見て少し冷静さを取り戻したらしい。必死でCを探したがCを見つけるのは容易だった。

Cは、和室でうつ伏せになって倒れていた。ただ、気絶していただけならいいのだがAとBが見たものは想像を絶する光景だった。
Cの首が紅く染まっており、Cは何か訳の分からない言葉を叫んでいた。Aもそれは聞き取れなかったらしく、昔の言葉のようなものであったと言う。おまけにCは痙攣しており、ひとまずAとBはCを担いで廃墟の外へと運び出した。Cは外に出ても何やら訳のわからない言葉をブツブツ呟いている。

「Cの携帯があるはずだからそれをとってCの両親に電話をかけてくれ!ここは素直に話すしかない。」

Bの言う通りである。AはCのポケットから携帯を取りCの親に事情を話した。Cの親は当然激怒し、AはCの親に謝り続けることしかできなかった。十数分経った頃、2台の車が廃墟の周りに集まってきて、中からCの両親とAの両親が出てきた。

「お前ら何考えてんじゃボケェ!こう言った廃墟の中には入るなと言っただろうが!」

と、出てきていきなりCの両親が怒鳴った。A達の両親は、A達がどんな遊びをしているか全く知らなかったのだ。教えるわけにもいかないようなことをしていたから仕方がないことではあるが。明明白白、Cが取り憑かれていると想定することは親でもできた。

「とにかく神社いくぞ。バカ息子が… A君とB君はCのそばにいてやりなさい。」

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コメント(4)
  • 怖い。
    許せない。
    善人ぶった悪人。

    2023/01/28/02:09
  • まろです。Aはその地元へは戻る気は一切ないと言っていたので神主が今何をしているかは不明ですが恐ろしいですよね。正月によく行く神社でその時の神主はものすごく優しい人だったとAは言っていました。人の裏の顔は怖いですね。

    2023/01/28/21:15
  • どの辺りの神社でしょうか?

    2023/01/28/23:43
  • まろです。どの辺りか自分も分からないんですよね… 聞いても濁されました。

    2023/02/02/22:42

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