山奥の民家
投稿者:キョンシーズ (11)
中に入るとあらゆる物が散乱していて、足の踏み場が無い様な状態が玄関から広がっていたので、ガラスなどを踏まない様に慎重に歩を進めていくと、玄関から入って一番奥にあった扉の向こう側から「ガシャーンッ!」と何かが倒れる様な大きな物音がしました。
全員が恐怖で凍り付き、女の子達は我々にしがみついて泣いていました。
すると次の瞬間、「キィー・・・」っと誰も触れていないのに、勝手に開いた一番奥の扉。
その瞬間全員が叫び声をあげながら一目散に外へと飛び出しました。
「ヤバいって!あんなとこ入ったら呪い殺されるって!」と涙と鼻水を垂らしながら訴える友人G。
女の子達はしゃがみこんでひたすら泣いていました。
唯一まだ最低限の心が折れていなかった私と友人Cは、目くばせをして再び民家の中に入る事を決意し、泣きじゃくる女の子達の事を友人EとGに”しっかり守れ”と任せて、ゆっくりと玄関から民家の中に入っていきました。
酷い耳鳴りに襲われながらも、ゆっくりと中に入り、物音が鳴った扉の奥を目指しました。
意を決して先ほど勝手に開いた扉を通過すると、扉の奥はかなり広い居間で、やはり物が散乱していて酷い荒れ具合でした。
一刻も早くAとDを見つけ出して、この場を去りたい私とCは恐怖心に心が押しつぶされそうになりながらも、足早に民家内を探し回りましたが、一階の全ての部屋を探してもAとDの姿はありませんでした。
残されたのは、二階のみ。
我々は問題の扉から再び玄関に戻り、玄関から入ってすぐにあった階段を昇ろうとしました。
すると「キィー・・・」と居間への扉が閉まりだし、「バタンッ!」と思いきり閉まりました。
度重なる心霊現象に、心が折れそうになりましたが、AとDのために必死に歯を食いしばって階段を昇りました。階段を昇りきると、やはり例に漏れず物が散乱していた二階は、4つの部屋がありました。
手前の部屋から順番に扉を開け、中を懐中電灯で照れすと、早速AとDを発見しました。
二人は部屋の中央で物が散乱した床の上に、倒れ込んでいました。
「おいッ!大丈夫か!?」と二人に声を駆け寄り、声を掛けるとAは目を覚ましましたが、Dは深い眠りに就いている様で全く目を覚ましません。
「何があった?」と聞くと、Aは「は?なにが?ここどこだ?」と全く状況を理解していない様子でした。
とにかく一刻も早く外に出たい我々は、私がDを担いでCがAの手を引っ張り、そそくさと階段を掛け降りました。
すると私達が階段を降り切ったのとほぼ同時に、「ガタガタッ・・・ガッシャーンッ!!」と物凄い大きな物音がした後、「ギシッ・・・ギシッ・・・」と何かが階段を降りる様な音がしたので、大急ぎで外に飛び出し、間一髪の所で民家の中から脱出する事に成功しました。
皆が待つ場所へ、全く状況を理解していないAを連れていくと皆が安堵の表情を浮かべてAに抱き着き、喜びました。Dも少しすると目を覚まし、やはり全く状況を理解していない様子でした。
落ち着いてから話しを聞くと、濃い霧に包まれた後に急に意識が飛んで、気付いたらあの部屋で寝ていたんだとか。少し休んだ後にAが運転出来る状態になったので、恐怖の民家を後にして、事故らない様に細心の注意を払いながら帰路に着きました。
この日はバラバラになるのが、何となく怖かったので地元に到着後はAの家で皆で一緒に過ごし、翌日お寺にお祓いに行きました。
そこの住職は地元では有名人でお祓いの腕は確かなもの。私達のお祓いを済ませた住職に、その心霊スポットの事を詳しく聞くと、大昔から土地自体に曰くがある所謂呪われた土地らしく、その土地に住む人はことごとく悲運な死を遂げている相当ヤバい場所だとの事。
「命があって良かった。もう二度と近づいてはいけませんよ。」
と優しく言った住職。私達は二度とその山道には行かないと堅く決心しました。
ガチの呪怨の館ですね…
一体どこにあるでしょうか?気になります。
YouTuberも行かない本当にヤバい場所ってあるからね、、、